東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 暮らし一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

外出自粛 運動不足の心配 体操や散歩でリフレッシュ

写真

 新型コロナウイルスの感染拡大で、重症化しやすい高齢者が外出を控えて運動不足になり、心身の働きが鈍くなることが懸念されている。「生活不活発」と呼ばれ、体を動かさないと筋力が低下して骨折しやすくなるおそれがあり、専門家らは家でのストレッチや体操、人混みを避けて散歩することを勧めている。 (細川暁子)

 「感染が怖いので、外出を避けている。でもずっと家にいると、気が変になりそう」

 名古屋市緑区の女性(84)は嘆く。サークルで参加しているコーラスの練習やスポーツジムの利用などを三月から控えており、友達にも会えずストレスはたまる一方だ。「近所に住む娘と、毎日十分ほどの散歩が唯一の楽しみ」

 老年医学の専門家らでつくる日本老年医学会は、高齢者は加齢や栄養低下により心身が衰える「フレイル(虚弱)」になりやすいとして、三月からホームページで、「生活不活発」に気を付けるよう呼び掛けている。生活不活発とは、家に閉じこもったり、食事を抜いたり、誰かと話したりしなくなること。体だけでなく、脳の働きも鈍くなるおそれがあるという。

 日本転倒予防学会理事長で東京大名誉教授の武藤芳照さん(69)も高齢者の筋力低下による家の中での骨折や、抑うつなど心の不調を心配する。「体を動かして、心身のリフレッシュを」と勧めるのが自宅でできるストレッチや体操=イラスト=だ。

 「毎朝起きた直後にやるといい」というのが、「ネコのポーズ」と「カエルのポーズ」。ネコのポーズは四つんばいになって両手を前に出し、お尻を後ろに突き出して背中を伸ばす。寝ている間に硬くなった関節をほぐし、体を動かしやすくする効果がある。無理せず気持ちの良い程度で、少しずつ腕を伸ばす範囲を広げていくといい。十五〜二十秒ほど、三セット行う。

 カエルのポーズは、あおむけになって膝を立てた状態から、膝を外側に倒したり立てたりを繰り返す。股関節を広げる効果があり、一日五〜十回(膝を外側に倒した後、元に戻して一回)やるといい。

 足を使った「足文字」は、楽しみながら太ももの筋肉を鍛えることができる体操だ。いすに座ったまま、片足ずつ上げてまっすぐ伸ばし、足先で文字を書く。自分や家族、好きな芸能人の名前など、書く文字は何でもいい。テレビを見ながらなど、気楽に行う。

◆乳製品、肉や魚 積極的に

 体力維持には、バランスのいい食事も欠かせない。整形外科医で原宿リハビリテーション病院名誉院長の林泰史さん(80)は「骨の老化や転倒を防ぐために、高齢者は特にカルシウムの摂取を」と呼び掛ける。

 高齢になると骨を構成しているカルシウム量は、二十〜四十代と比べて二〜三割減少する。骨密度が低下する骨粗しょう症予防には、一日に七百〜八百ミリグラムのカルシウム摂取が必要とされており、豊富に含まれているのが乳製品だ。

 百グラム中のカルシウム量は、牛乳が百十ミリグラム、ヨーグルト百二十ミリグラム、プロセスチーズ六百三十ミリグラムで、これらを少しずつ食事に取り入れるといい。筋肉のもととなる肉や魚などのタンパク質も積極的に摂取する。

 もうひとつ、林さんが「高齢者の必須栄養素」と言うのが青魚や卵、キノコなどに多い「ビタミンD」だ。ビタミンDは、カルシウムの吸収を高めるだけでなく、筋肉中のタンパク質合成を促進させ筋肉を強くする。またビタミンDは食事だけでなく、日光を浴びることによって皮膚でも作られる。林さんは「人混みを避けて一日に数十分程度、散歩し、日差しを浴びて」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報