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【暮らし】

<新型コロナ>外出自粛で家飲み系!? ついつい飲み過ぎ…適正な摂取量を

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 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の空気が強まる中、家庭で飲む酒の量が増えた人もいるのではないか。近年はアルコール度数が高い上、値段が安い「ストロング系」と呼ばれる缶チューハイも人気だ。専門家は、適正な摂取量に関する知識がないまま飲酒を重ねると依存症に陥る危険性があると指摘。これを機会に、酒との付き合い方を見直すよう呼び掛ける。 (細川暁子)

 名古屋市内の会社員女性(47)は新型コロナが問題になって以降、自宅でビールを飲みながら夕食をとる日が増えた。通勤電車の中や職場は感染を警戒して緊張が続いていることに加え、「友人らと外で会う機会が減ってイライラする」と理由を話す。

 社会全体がピリピリしている今、「酒好き医師が教える最高の飲み方」(日経BP社)などを監修した肝臓専門医、浅部伸一さんが増加を懸念するのは、ストレスが引き金になるこうした例だ。「まずは普段摂取している『純アルコール量』を計算して」と訴える。

 通常のアルコール分解能力がある日本人の場合、厚生労働省が適度とする純アルコール量は一日平均二十グラム。浅部さんによると、純アルコール量は「アルコール度数÷100×飲んだ量(ミリリットル)×0・8(アルコールの比重)」で求められる。度数5%のビールを中瓶、またはロング缶で五百ミリリットル飲んだ場合、純アルコール量はちょうど二十グラム。アルコール度数が12%程度のワインなら二百ミリリットル、15%程度の日本酒だと一合(百八十ミリリットル)ほどだ。

 アルコール度数は、酒の種類で異なるが、浅部さんが特に注意を呼び掛けるのは、口当たりの良さで近年売り上げを急激に伸ばす「ストロング系」と呼ばれる缶チューハイだ。ウオッカなどが原料で、主力商品のアルコール度数は9%と高く、中には12%のものまである。三百五十ミリリットル缶を一本飲み切ると純アルコール量は9%で二五・二グラム、12%だと三三・六グラムと一日の適量を簡単に超えてしまう。一方、価格は百円ほどと、同量のビールの半額だ。

 適度な量を超えて飲まないためのこつとして浅部さんが挙げるのは、酒と同量の水を飲むこと。腹が満たされて酒の量が減る。さらに、水で胃腸内のアルコールが薄まって理性を保ちやすいため、「きょうはここまで」というように酒の量もコントロールできる。

 週に何日か飲まない「休肝日」を設けても、「昨日は飲んでいないから」と、次の日の量を二倍にするようだと意味がない。「毎日飲むと次第に酒量が増え、いつの間にかアルコール依存症になることもある」と浅部さんは警鐘を鳴らす。

◆依存症 増える女性患者

 近年目立つのが、女性のアルコール依存症患者だ。久里浜医療センター(神奈川県)の調査によると、女性の患者数は2003年の8万人から、13年は13万人と1.6倍に増えた。

 1時間で分解できる純アルコール量は、成人男性で平均8グラム。ただ、同センター精神科の岩原千絵医師によると、女性のアルコール分解速度は男性の半分ほど。アルコール濃度は筋肉などに含まれる水分で薄められるが、女性は筋肉量が少ないためだ。女性の適度なアルコール摂取量は「厚労省が定める1日平均20グラムの3分の2から半分」とくぎを刺す。

 18年の「国民健康・栄養調査」によると、純アルコール摂取量が1日20グラム以上の女性は10年の7.5%から18年は8.7%に増加。多量の飲酒は肝障害や骨密度の低下、乳がんのリスクを高めるとの調査結果もあり、岩原さんは「女性は特に気を付けてほしい」と呼び掛ける。

 

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