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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 亡くなった夫の家 住み続けるには…

<お悩み> 私名義の土地に夫名義の建物を建て、2人で暮らしてきました。先日、夫が亡くなりました。相続人は私のほか、夫が前妻との間にもうけた男の子ども1人だけです。建物を私名義にして住み続けたいのですが、この間、夫の子と連絡がとれていません。今後、どうなるか心配です。(東京・無職 75歳)

◆代償金払えば所有も

<お答え> 建物に住み続けたいとのことですが、心配ですよね。

 あなたはご主人と同居していたわけですから、判例によると、ご主人の子どもとの間で遺産分割協議が整うまでは、ご主人とあなたの間に無償で建物を使わせるという合意があったものと推認されます(最高裁一九九六年十二月十七日判決)。ですから、あなたが、分割協議が終わるまで住み続けることは問題ありません。

 遺産分割協議については、ご主人の子どもが協力してくれるかは予測がつきません。協力してくれなかったり、そもそも連絡がとれなかったりする場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停に相手が出てこないときや、調停委員を交えても協議が進まないときは、家裁に遺産分割の審判を申し立てることができます。

 審判では、裁判官がさまざまな事情を総合的に考慮して遺産分割の内容を決めます。あなたの場合、一定の金銭(代償金)を支払うことを条件に、あなたが単独で建物を所有できると思われます。

 代償金の額は、建物の評価額の二分の一です。建物の評価額は、ご主人があなたの同意を得て土地を無償で使っていたので、使用貸借権がついた建物として評価します。

 一般には、建物自体の価格(固定資産税評価額など)に土地の価格の一定割合を加えた額が建物の評価額とされます。最近では、「一定割合」は土地の価格の一割程度とされることが多いようです。建物の評価額について合意できない場合、鑑定を行い家裁が代償金の額を決めます。

 事前に代償金のおおよその金額を計算し、合意が得られやすい解決案を用意しておくとよいでしょう。そのためにも、弁護士に一度相談することをお勧めします。

 

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