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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 違法な運用 未払い分請求を

<お悩み> デパートの生鮮食料品店で働いています。勤務は1日8時間で、2週間前に発表されるシフトで勤務日が決まります。週40時間を超えて働く時もありますが、会社は「1カ月単位の変形労働時間制なので残業代は払わない」といいます。またシフトの発表が遅く、休みの予定が立てられず困っています。何か手だてはないでしょうか。

 (東京・会社員 20代)

◆変形労働時間制を理由に残業代なし

<お答え> 労働基準法は一日八時間、一週四十時間を超える労働を禁じています。この時間を超える労働をさせた場合、残業代の支払いを使用者に義務付けています。

 変形労働時間制はこの規定の例外で、一年単位やフレックスタイムなどいくつか種類があります。ご相談の一カ月単位の場合、月の総労働時間が百七十一時間二十五分(三十日の月の場合)に収まっていれば、あらかじめ日や週を特定した上で、一日八時間、一週四十時間を超えて働かせても残業代の支払いが免除されます。

 一日の労働時間が長時間に及ぶタクシー運転手や、業務の繁閑でシフト制を採用している宿泊業や飲食業で取り入れられることが多いです。

 しかし、事前に取り決めもなく認めてしまうと、使用者が一方的に労働日・時間を決められ、労働者が丸一日働かされることも可能になってしまいます。そこで一カ月単位の変形労働時間制を導入するには、就業規則や労使協定(過半数組合などとの協定)で、期間(一カ月)中のすべての日につき、勤務日か休日か、一日ごとの勤務時間をあらかじめ特定しなければなりません。

 特定はシフト表でも行うことができます。しかし、ご相談によれば、二週間前にならないとシフトが発表されないので、あなたの職場の変形労働時間制の運用は違法となります。

 変形労働時間制と認められないので、労働基準法の原則が相談者の職場に適用されます。一週四十時間を超えた分については、会社に残業代を請求することができます。

 この件は労働基準監督署に相談することをお勧めします。会社に対し、今後は一カ月分のシフト表を示すよう指導すると思われます。

 

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