東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > 悩みの小部屋一覧 > 記事

ここから本文

【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> クリーニング店で土壌汚染の心配は

<お悩み> 父の代からクリーニング店として建物を貸していますが、借り主から「廃業する」と連絡がありました。建物を壊し、更地での売却を考えていますが、知人から「土壌汚染は大丈夫か」と言われ、心配になりました。クリーニング店で土壌汚染は起こるものなのですか。またそうだった場合、何をすべきですか。(東京・会社役員 60代)

◆行政の環境部門に相談を

<お答え> 意外かもしれませんが、土壌汚染は身近に起こりうる問題です。クリーニング業は、ドライクリーニング設備で使う溶剤が地下に浸透するおそれがあります。土壌汚染対策法や都の環境確保条例では、住民の健康と安全、環境を守るため、業者の廃業時、汚染の有無を調査し、結果を知事に報告することになっています。

 ただし、すべての業者が対象ではありません。対象となるのはドライ設備があり、有害物質に指定されている物質(特定有害物質)を含む溶剤などを使用している(過去も含む)事業主です。対象となる物質は「テトラクロロエチレン」や「1、1、1−トリクロロエタン」「フッ素およびその化合物」などです。

 調査の結果、汚染なしなら報告だけで終わります。ただし汚染があると、詳細な調査をしなければなりません。これらは専門的な調査が必要なので、環境省や東京都が指定した調査機関が実施しています。

 今、あなたがまずすべき行動は、一日も早く区の環境部(部署名は自治体で異なる)に相談することです。

 土壌汚染調査は時間がかかります。まだドライ設備があるうちに現状把握した方が、調査範囲も絞れます。特定有害物質を使っていても、基準値を超えていなければ対策は不要です。他方、基準値を超えていたら、土の入れ替えなど拡散防止措置を実施し、完了報告をしなければなりません。

 借り主に土壌汚染調査を請求しても実施してもらえない場合は、借り主に契約上の義務違反、または不法行為として損害賠償請求が考えられます。その場合は弁護士に相談されることをお勧めします。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報