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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 滝沢香弁護士> 孫の教育のため財産残したい

<お悩み> 妻に先立たれてから、身の回りの世話は近くに住む次女がしてくれています。長男と長女もいますが、遠方でめったに会うこともありません。次女は離婚して中学生の子を一人で育てており、その子が十分な教育を受けられるよう、財産を残してあげたいのですが、どうすればいいですか。 (埼玉・無職 80歳)

◆今必要なら贈与検討を

<お答え> 子どもが三人いるので、法定相続分はそれぞれ三分の一となります。この場合、孫には相続権はありません。

 しかし遺言では法定相続分と異なる相続分を指定することや、法定相続人以外の人に財産を残すこともできます。したがって次女に法定相続分より多く残す遺言や、直接、孫に財産を渡す遺言を作ることもできます。

 ただし、遺言で財産を渡すのはあなたが亡くなった後です。次女にとっては、これから数年間がお子さんの進学などで最もお金がかかる時期です。今使える財産を渡すほうが喜ばれるかもしれません。一人につき年間百十万円までは贈与税がかかりません。存命中は必要なときに贈与で対応することも考えられます。

 教育資金に限れば、一括贈与を使う手もあります。当初は今年三月で終了の予定でしたが二年間延長されました。

 入学金や授業料をはじめとした学校などへ直接支払う費用を贈与する場合、千五百万円まで非課税になります。二十三歳までなら、この枠のうち五百万円まで、塾代など学校以外への費用にも使えます。ただし、三十歳までに使い切れず、残額をそのまま受け取る場合には贈与税がかかります。

 また、長男や長女には法定相続分の二分の一の額が最低限の取り分(遺留分)として認められています。遺言で次女の取り分を多めにしたり、孫に遺言での贈与や教育資金の一括贈与をしたりしても、そうした取り決めをする前のあなたの財産を元に、長男や長女の遺留分が計算され、次女や孫に請求される場合があります。弁護士などと相談のうえ、あなたの考えや、次女と孫の生活状況や要望をふまえた適切な方法を検討してはいかがでしょうか。

 

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