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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 中3息子が自転車で高齢者に接触

<お悩み> 中学3年の息子が自転車で通学中、お年寄りにぶつかり、けがをさせてしまいました。息子と一緒に警察に呼び出されて事情を聴かれましたが、今後どのような手続きで進むのでしょうか。また被害者の方には息子と謝罪に行きましたが、未成年でも賠償責任を問われますか。 (東京・女性 45歳)

◆未成年でも賠償責任

<お答え> 自転車でけがをさせた場合、過失の度合いに応じ過失傷害罪(刑法二〇九条)か、重過失傷害罪(同二一一条)に問われます。日本は「十四歳に満たない者の行為は、罰しない」(同四一条)ので、すでに十四歳になった息子さんは刑事責任を問われることがあります。

 二十歳未満の事件は、刑事裁判ではなく、少年法に基づいて家庭裁判所に送られます。審判が開かれれば、保護観察や少年院送致などの処分が決まります。家裁には親も呼び出されます。処分にかかわることなので、なぜ事故を起こしたのかや反省の気持ちなど、よく考え、きちんと対応することが必要です。

 民事責任を負う年齢は法律に明記されていませんが、一般に十二歳ぐらいとされています。なので息子さんも対象と考えられます。子どもに責任能力がない場合は親が代わりに賠償責任を負います(民法七一四条)。

 問題になりやすいのが、子どもに責任能力があるのに、親にも賠償責任が問われるケースです。子どもが危険な運転をしていたことを知っていたか、容易に知り得た、あるいは他人に損害を与える行為を繰り返すことが予想できた場合、親も監督義務違反に基づく賠償責任を負うとの基準を示した判例があります(二〇一一年八月二十六日大阪高裁判決)。

 自転車の事故による損害賠償額は、過失の程度や事故の態様にもよりますが、数千万円に上る場合もありました。こうした事態に備え、自転車事故向けの保険に加入するとよいでしょう。子どもに賠償責任があっても、実際は親が支払うのが一般的。また相手との交渉や事件への対応もあり、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

 

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