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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 父が交通事故死 不起訴に不服

<お悩み> 数カ月前に父を交通事故で亡くしました。父は深夜の道路工事現場で警備の仕事をしていましたが、そこで乗用車にひかれました。運転手は警察に逮捕されましたが、父の不注意も問題視され、結果的に運転手は不起訴になりました。しかし、事故を目撃した父の同僚は「父に不注意はなかった」と言います。運転手を罪に問えないのでしょうか。(東京・女性 40歳)

◆検察審査会に申し立てを

<お答え> 不十分な捜査は被害者の遺族をとても落胆させます。

 刑事事件で、被疑者を起訴するかどうかは検察官に委ねられています。しかし、本来起訴すべき事件を不起訴とされたら、被害者やその家族らは納得しないでしょう。

 そこで不起訴が妥当か審査し、検察官の起訴権限に民意を反映させる、検察審査会という制度があります。審査会は二十歳以上で選挙権を有する国民からくじで選ばれた十一人の審査員で構成されます。犯罪の被害者や告訴・告発人の申し立てなどで審理が始まります。最高裁判所によると、今回のような交通事故による自動車運転処罰法違反や、職権乱用、詐欺などが多く審理されています。

 申し立て後、審査員は刑事記録などを検察官から取り寄せて審査します。審査は非公開なので傍聴はできません。

 審査員は審理の結果、(1)起訴相当の議決(事件を起訴すべきだという判断)(2)不起訴不当の議決(不起訴処分は不相当であり、さらに詳しく捜査すべきだとの議決)(3)不起訴相当の議決(不起訴処分は相当との判断)−のいずれかの判断を行います。(1)は八人以上、(2)と(3)は六人以上の多数の審査員が必要です。

 (1)の場合、検察は再捜査や起訴するかどうか再検討をします。そのうえで、検察が改めて起訴しない場合は、審査会が再度の審査をして、起訴すべきとの議決をすると、裁判所が指定する弁護士が検察官に代わって起訴します。(2)の場合も、検察が再捜査などをします。ただし、改めて不起訴の判断をすると(1)のように審査会は再審査しません。

 このように、一度不起訴になっても道が閉ざされるわけではありません。検察の処分に納得できない場合、審査会への申し立てを検討してみてください。

 

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