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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 亡父が借金 相続どうすれば

<お悩み> 先日、父が心不全で急死しました。自宅は父名義のローンがかなり残っています。父が1人で営んでいた内装工事の下請け会社からの借金もあるようですが、詳しいことは父しか知りません。相続人は母と私です。母は借金が多いなら相続放棄しようと言っています。ただ自宅を手放すことになるので、私は迷っています。 (千葉・男性 30歳)

◆まず遺産の全容把握を

<お答え> お父さまの財産と借金の内訳が分からないと、相続放棄するかの判断もできません。ただ相続放棄は、相続の開始を知った時から三カ月以内にしなければならない(民法九一五条)ので、すぐ期限が来ます。

 そこで、まず相続を承認するか放棄するかを考える期間(熟慮期間)を延長(伸長)しましょう。被相続人(亡くなられた方)の最後の住所地にある家庭裁判所に申し立てができます。家裁が申し立ての内容を基に審査し、延長するか判断します。

 延長する期間は諸事情が考慮されますが、三カ月前後が一般的です。それほど長い期間ではないので、調査は急がなければなりません。お父さまの場合、会社の債務か個人の借金かを調べ、会社の債務でも個人で保証していないかなど、遺産の全容を把握する必要があります。

 その際にしてはいけないのが、被相続人の預金を使ったり、特定の人の借金だけ遺産から返済したり、形見分けしたりすることです。借金などもすべて引き継ぐ「単純承認」をしたとみなされるからです。相続放棄するかの方針が定まらないうちは遺産には手をつけない、動かさないことが重要です。

 相続放棄するかは、相続人ごとに選べます。熟慮期間を延ばす場合も、各自で申し立てできます。ただ延長期間内に放棄しなければ、単純承認することになります。もし自宅を手放すのに抵抗があるなら、母子のうち一方が相続し、もう一方は放棄の手続きをすることもできます。ただし、相続した人はお父さまの借金も一手に引き受けないといけません。専門の弁護士にどの手段が最適かなど、早めに相談することをおすすめします。

 

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