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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 土地売りたいが、境界上に塀

<お悩み> 亡くなった両親から相続した土地と建物を売ろうと考えています。ただ隣地との境界付近に立つブロック塀の扱いに困っています。隣地の人には、売るなら塀がどちらの所有かはっきりさせてと言われたのですが、かなり以前に建てられたようで判然としません。どうすればいいでしょうか。 (東京・男性 62歳)

◆測量し 所有者など確認を

<お答え> 土地の売買にあたって、塀の処理が問題になることはしばしばあります。

 まずは土地の測量を行って、塀がどの場所にあるのかを確認することが必要です。測量の結果、塀がどちらかの敷地内にあることが分かれば、その敷地の所有者のものと考えられます。

 一方、境界線上に立つ塀は、両方の敷地所有者の共有物と推定されます(民法二二九条)。どちらかが塀を取り壊す場合、隣地の人の同意が必要です。費用は原則折半ですが、話し合いで決めるのが一般的です。

 ただ、実際は、土地と建物を現状で引き渡された新しい所有者が自身の判断で、塀を撤去して新しい塀を設置する場合が多いです。このため、隣地の人とはその点も踏まえ、撤去費用の負担割合や、新たな塀の設置場所について、あらかじめ合意文書を交わしておくと、話し合いがスムーズにできます。

 また、隣の塀の一部が境界線を越えて自分の敷地にかかる、いわゆる「越境」問題もあります。越境している部分の撤去を隣地の人に求めることは可能ですが、簡単に応じてもらえないことが多くあります。越境している塀の部分も自宅の一部として二十年間(条件によっては十年間)使い続けたとして、隣地の人が所有権を主張する可能性(時効取得)もあります。

 そうならないためにも、大事なのが測量です。測量図面に基づいて隣地の塀が越境していることを確認したら、将来是正することを確認する文書を取り交わすのが一般的な解決策です。

 このように土地の売却でネックになりやすいのが塀です。良い条件でスムーズに売却するためにも隣地の人とよく話し合っておきましょう。

 

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