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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 試用期間に専門外の仕事 ミス理由に解雇

<お悩み> 1カ月半前に現在の会社に転職しました。前職で培った経理の経験を生かし、経理担当者として採用されましたが、3カ月の試用期間中は「さまざまな業務を経験してもらう」と、労務など未経験の仕事に従事しました。ところが「ミスが多い」として、試用期間の満了をもって、雇用を打ち切ると通告されました。このような形の解雇は納得できません。 (東京・女性 40代)

◆本採用拒否 無効の可能性

<お答え> 試用期間は、新たに採用した従業員の能力や適性を実際の勤務を通して判断するための期間です。期間中の働きに問題がなければ、本採用(正式な採用)となります。しかし期待した働きができないと判断された場合、満了で本採用を拒否(解雇)されることがあります。

 正式採用の前なので、企業には大幅な裁量があると考えられがちです。しかし企業の判断に合理性や、一般人がやむを得ないと考える「社会的相当性」がなければ、本採用の拒否は無効とされます。判例で有効とされたケースを見ると、能力や適性の欠如が著しい場合が多く、本採用後の解雇と基準はそれほど大きく異なりません。

 あなたは経理担当として採用されました。能力や適性の判断は経理に関するものでなければならないはずです。未経験の労務の仕事が十分にできないのは当然。ミスが多いことを理由に本採用を拒否するのは、不合理です。試用期間が三カ月間あるにもかかわらず、採用から一カ月半の時点で、本採用を拒否すると決めた点も、会社の対応はあまりに早計だと言えます。

 これらの点を踏まえると、本採用拒否は無効の可能性が高いと言えます。労働組合に加入(会社に労組がない場合には、個人加盟組合に加入)して会社側と交渉するか、労働局の指導や助言、あっせんによって解決を図る方法があります。

 ただ、いずれも当事者間の合意などに基づくもので、裁判や労働審判のように、紛争を解決する強制力を持ちません。会社に本採用拒否の撤回を要求したものの、会社が交渉に応じない場合、裁判や労働審判を視野に早めに弁護士に相談してみてください。

 

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