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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 契約更新時、突然大家が値上げ通告

<お悩み> 20年ほど前からビルの一室を借りて飲食店を経営しています。3月末で2年の契約期間が切れ、更新を迎えます。大家から更新にあたり、「家賃を3割上げたい」と言われました。ただ売り上げは厳しく、そんな余裕はありません。「増額に応じないと更新しない」とも言われました。どうしたらいいでしょうか。 (東京・男性 60歳)

◆合意なければ解約できず

<お答え> 経済情勢の変化などで、借り主との間でいったん合意した家賃が相場に見合わなくなった場合、貸主は借り主に対して、家賃の増額あるいは減額を請求することができます(借地借家法三二条一項)。

 ただし、双方での合意が原則です。もし、互いに合意ができないときは、調停や裁判で相当額を決めることになります。土地建物の税金や価格、近隣の家賃相場など、いくつもの要素を総合的に判断して決めることになります。できるだけ客観的な資料を提出するよう貸主に求め、検討することが必要です。

 協議が整うか、裁判で確定するまでの間、借り主は「相当と認める額」を家賃として支払えばいいことになっています(同条二項)。通常は現在の家賃を支払えば問題ありません。ただし裁判で増額が認められた場合には、借り主は年一割の利息付きで差額を支払わないといけません。

 借り主保護の観点から、貸主が一方的に更新を拒否しても、借地借家法に基づき契約を更新することは可能です。これを法定更新といいます。法定更新後、貸主は六カ月間の猶予期間内に、いつでも解約を申し出ることができますが、正当な理由がなければ解約はできません。一般に、借り主が増額に応じないという理由で、契約を打ち切ることはできません。

 ですから、あなたのケースも慌てる必要はありません。大家から調停や裁判を起こされるかもしれませんが、うまく話し合いに持ち込んで円満解決することも十分可能です。一人で判断するのが難しければ、弁護士に相談することをお勧めします。

 

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