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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 追突され後遺症、示談の提示額は妥当?

<お悩み> 車で信号待ちをしていたところ、後続車に追突され、むち打ち(頸椎(けいつい)捻挫)と診断されました。約6カ月の通院後、後遺障害の等級認定で一番軽い14級となりました。この結果を受け、相手の保険会社から後遺障害分として75万円を支払う示談の提案がありました。私は専業主婦なのですが、この額は妥当でしょうか。 (東京・女性 30代)

◆あっせん制度など活用を

<お答え> 事故でけがをし、治療しても完治せずに影響などが残る障害や症状を後遺症(後遺障害)と言います。自動車事故の場合、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の認定手続きで障害等級認定(重い順から一〜十四級に区分される)を受けると、保険会社は逸失利益と慰謝料を払います。

 逸失利益は、障害により減少が見込まれる収入を穴埋めするものです。事故時の年収に、労働能力の喪失率と、賠償期間に応じた係数を掛け合わせることで計算されます。

 専業主婦の年収には、全女性の平均賃金(約三百八十二万円)が用いられ、喪失率は十四級の場合は5%です。賠償期間は、六十七歳までとするのが原則ですが、十四級の場合、比較的軽症のため、二〜五年に限定されるのが一般的です。仮に賠償期間を五年で計算すると、約八十二万円。なお四月一日以降の事故では、改正民法で係数が変わり、約八十七万円になります。

 慰謝料は、判例などから目安があり、十四級の場合、百十万円。逸失利益と合算すると約百九十二万円になります。この額は、裁判した場合に想定される賠償額の目安です。

 しかし、保険会社はより少ない額を提案するのが通常です。あなたに提案された七十五万円は、最低限の保障である自賠責保険が十四級の場合に支払う金額で、いわば「最低ライン」です。

 提示額が低ければ、弁護士に依頼したり、日弁連交通事故相談センターや、交通事故紛争処理センターの示談あっせん制度を利用すると、裁判をした場合と遜色のない賠償額を得ることができます。これらの制度は被害者自身で手続きすることができ、費用も無料です。

 

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