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【首都圏】

権力疑い 庶民の視点大切に 元編集者・松本さん追悼上映会

上映後の懇親会で参加者とのおしゃべりを楽しむ松本昌次さん=2018年5月3日、埼玉県狭山市で

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 戦後派作家の出版を手掛け、先月九十一歳で死去した松本昌次(まさつぐ)さんは晩年、埼玉県の自主上映会「武蔵野市民学校・映画○学ぶ会」に参加していた。戦争を知る世代として権力を疑い、庶民の視点にこだわった。松本さんが選んだ作品の上映会が十七日、狭山市産業労働センターで開かれる。 (佐藤直子)

 一九二七年、東京に生まれた松本さんは五三年から三十年間未来社で編集者を務め、八三年に影書房を創立。井上光晴や埴谷雄高ら、戦後派の作家たちと深く交わった。戦争体験が思考の底にあり、改憲の動き、原発の再稼働、沖縄の新基地問題を憂えていた。

 そんな松本さんが学ぶ会と出会ったのは二〇一二年。代表の兼岡敏二さんが山代巴(やましろともえ)原作の「荷車の歌」の上映を企画し、山代さんの他の作品の編集担当だった松本さんをゲストに招いたのが最初だった。

 松本さんが選んだ国内外の「ベストテンシリーズ」では、「無法松の一生」「飢餓海峡」「太陽がいっぱい」など二十作品を上映。上映後のトークは、権威を嫌い、大衆性を大切にする松本さんらしい話が面白かったという。

 「人情紙風船」の上映では、浪人侍が長屋の人の輪に入れず、一緒に酒を飲めないでいる場面に松本さんは怒った。「だからインテリはだめなんだって」(兼岡さん)

 十七日は午後二時半から、松本さんが好きだったジャン・コクトー監督の「オルフェ」を上映する。問い合わせは兼岡さん=080(4291)4904=へ。

松本昌次さんの「ベストテンシリーズ」では毎回記録集がつくられた。参加者とのディスカッションも収録されている

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