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【首都圏】

<しみん発>子の不登校、思い共有 びーんずネット代表・金子あかねさん(49)

不登校とゲームをテーマに、車座になって語り合ったびーんずネットのセミナー=川崎市高津区で

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 わが子の不登校に直面して戸惑い、解決の手がかりを求めてさまよった。孤独だった自らの体験から、同じように悩んでいる人たちが共に語り、学び合える居場所を目指すのが、川崎市の「びーんずネット」。代表の金子あかねさん(49)は「『だから、大丈夫』と伝えたい。経験者にこそ、できることがある」と語る。 (石川修巳)

 びーんずネットは昨年三月、金子さんが夫の純一さん(47)と活動を始めた。三カ月に一回、不登校の経験者、支援者らをゲストに招いて、参加者と語り合うセミナーを市内の貸会議室などで開いている。

 五年前、小学生だった長男が不登校になった。正義感が強く、真面目で繊細。「どうせ僕なんて、生きていてもしょうがない」と繰り返し、「学校に行きたくない」と号泣したという。

 「ものすごく慌ててしまって…。やっぱり、学校に行けるようになってほしいと思っていたから」と金子さん。どんな教育をしてきたんだ、ときつい言葉を浴びせられたことも。「孤独でした」と振り返る。

 「だから、『こうすべきだ』ではなくて、同じ立場で気持ちを共有し、少しでも楽になる場をつくりたかった」。キャッチフレーズを「まず、親が幸せになる」に決めた。

 第一回のセミナーで「学校って本当に必要なの?」と題したように、学校に戻ることが唯一の解決という根強い意識へのアンチテーゼも投げかける。不登校を巡る新たな視点や、気づきのヒントを探るためだ。

 三月には、インタビュー事例集「雲の向こうはいつも青空」(九百八十円)を創刊。登場するのは、不登校やひきこもりを経験した画家、映画プロデューサー、大学生ら七人。著名人ではなく、リアルで等身大の姿が読み手に伝わるように工夫している。

 「当時の僕たち家族は、ガタガタ音を立てて、雨雲の中を進む飛行機のようでした」と純一さん。正解でもアドバイスでもなく、自分たちが悩んだ時にほしかったものを思い起こして、形にしたという。

 インタビューから垣間見えるのは、雲をくぐり抜けた向こうにある七人七様の青空。金子さんは言う。「一点の雲もない人生なんてないと思うし、雲を抜けても、また突っ込んでしまうかもしれない。でも、いつも青空はありますから」

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<かねこ・あかね> 福岡県出身。産業カウンセラー、親業訓練インストラクター、季刊誌編集者。川崎市高津区に夫、長男の三人家族。問い合わせは電子メール=beansnet.a@gmail.com=へ。

 

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