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【首都圏】

<ようこそ!バリアフリー温泉/山崎まゆみ>登府屋(とうふや)旅館(山形・小野川温泉) 湯船の縁に傾斜あり

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 人には個性があり、身体の状態はひとりずつ異なります。手すりを付けてフルフラットにすれば大丈夫、という施設のバリアフリーだけでは完全な対応はできません。最後は旅館の人たちのもてなしがカギである−。そんなことを本連載で綴(つづ)ってきました。

 山形の米沢にある小野川温泉登府屋旅館の若旦那・遠藤直人さんは、十年以上にわたって車いすのお客さんを五百人、ご家族も含めたら千五百人をもてなしてきた経験豊富なバリアフリー温泉の達人です。

 きっかけは、亡きお父様が晩年、車いすを使うようになり、旅館内の不便さを感じたことだそうです。十四室の小規模旅館で、風呂の前にエレベーターがある旅館の構造は、車いすのお客さんには移動しやすく、バリアフリー向きだと気づきました。

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 そんな遠藤さんが新たにバリアフリー対応の貸切風呂=写真(中)=を造りました。広い脱衣所には、寝ころびながら着替えができるようにシングルベッドほどの大きさの台があります。脱衣所から引き戸を引くと、この台と繋(つな)がれたタイル張りの湯船の縁があります。台から縁伝いに移動すると、縁はなだらかな傾斜がついていて、そのまま下りていくと温泉に浸(つ)かることができる、滑り台風のお風呂。

 十カ所からお湯が出るシャワーも設置。髪や身体を洗っている時にシャワーを出しておけば、全身が冷えることはありません。着脱式の手すりと浴場専用車いす「シャワーキャリー」、そして足湯ができるフットバスも常備。男性の露天風呂=写真(上)=もバリアフリー対応です。源泉そのままの美人の湯を安心して楽しめます。

 二階にあるバリアフリー対応の客室=写真(下)=はエレベーターから最も近いところにあり、内装はしゃれています。

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 遠藤さんは、こうしたバリアフリー情報を公式webサイトやSNSで発信中。加えて、「温泉に入れるだけでなく、旅館にいながらわくわくしてほしい」といいます。二〇一五年から「立川こしら落語会」を登府屋で開催。十三回目を迎えましたが、毎回、車いすのお客さんとご家族に喜ばれ大人気。六月下旬からは蛍が見ごろです。 (温泉エッセイスト・山崎まゆみ)

<登府屋旅館(小野川温泉)> 山形県米沢市小野川町2493 バリアフリー特別室「三軒長屋」(2人1室利用1泊2食、1人1万7000円〜)、このほかバリアフリー対応客室2室。食事は個室会場。貸切風呂1つ(宿泊の場合50分1800円、80分2500円。日帰り入浴の場合50分3800円、80分4500円)貸し出し備品はシャワーチェアー、シャワーキャリー、畳のベンチ。電0238(32)2611

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 *次回は4月27日掲載です。

 

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