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【首都圏】

1940年代の紡糸機が化学遺産に 東京農工大博物館が所蔵

化学遺産になったハンク式紡糸機と認定証を手にする松本さん=東京都小金井市で

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 東京農工大科学博物館(東京都小金井市中町)が所蔵する一九四〇年代の紡糸機が、繊維工業の歴史上貴重として、公益社団法人日本化学会の化学遺産に認定された。博物館は繊維関連資料を収集しており、この紡糸機を動かせる状態で常設展示している。

 紡糸機は、キュプラ(銅アンモニウムレーヨン)という化学繊維の糸を製造する機械。ドイツ語でハンクという綛(かせ)に糸を巻き取る方式のため、ハンク式紡糸機と呼ばれる。キュプラは、綿花を取り除いた種の周りの綿くずを原料に、アンモニアや銅を溶かした原液を使って加工した再生繊維。光沢を持ち、洋服の裏地などに用いられる。

 キュプラは三一年から、旭化成の前身の会社がドイツの技術を導入して宮崎県延岡市の工場で生産を始めた。化学遺産に認定されたのは、四九年に国内で造られた改良型で、生産性の高い機械に入れ替わる九九年まで使われた。その後、博物館に寄贈され、工場に残る紡糸機とともに化学遺産の認定を受けた。

 化学遺産は、世界に誇れる関連技術などを内外に発信するとともに、文化遺産、産業遺産として後世に伝えるのが目的。二〇一〇年度に設けられた。

 東京農工大を卒業後、旭化成に勤めた博物館のボランティア松本紘明さん(76)は、延岡の工場で稼働中の紡糸機を見たことがあり「原液の入った大きなタンクがたくさんあった。紡糸機が何列にも並び、女性の従業員が糸が切れていないか見回っていた」と振り返る。「化学遺産になるとはすばらしい。繊維の歴史を知ってほしい」と見学者への解説に当たっている。

 二十八日〜五月六日を含む日・月曜、祝日は休館。無料。問い合わせは博物館=電042(388)7163=へ。 (松村裕子)

 

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