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【首都圏】

「人間の尊厳」映画で問う 天安門事件から30年 ポレポレ東中野で池谷監督特集

「延安の娘」の1シーン

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 一九八九年に中国の民主化を求めて北京の天安門広場に集まった学生らが軍に鎮圧された天安門事件から来月で三十年。激動の中国を見詰めるドキュメンタリーを数多く製作してきた映画監督池谷薫さん(60)の作品が六月一日から十四日まで、東京都中野区東中野の「ポレポレ東中野」で特集上映される。 (大森雅弥)

 池谷さんは事件の際、戦車の列に一人向かっていった青年の映像を見て衝撃を受け、中国に向き合おうと決意した。作品ではこの国の抱える問題が、その状況で懸命に生きる人々に寄り添うことにより、血の通った形で描き出されてきた。

 今回の上映作品の「延安の娘」は、文化大革命と下放運動のもたらした悲劇を描く。「蟻(あり)の兵隊」は、国共内戦に従事させられた残留日本兵を通じて中国を舞台にした戦争の加害と被害を見詰め、「ルンタ」では弾圧されているチベットの人たちが「非暴力の闘い」に込めた願いに迫った。「延安の娘」の登場人物が「おれは人間だ」と叫ぶように、どの作品でも「人間の尊厳」を問うてきた。

 東日本大震災の津波で家族を失った老人の「その後」を描いた「先祖になる」や、NHKの番組用に演出した作品二本も上映。池谷さん、芥川賞作家の楊逸(ヤンイー)さん、反体制詩人の廖亦武(リャオイウ)さんらが交代で登場するトークイベントも開かれる。

 池谷さんは「中国では権力の暴力も人々の欲望もむきだしで、中国を撮るということは人間の業を撮ることだと感じる。そんな国を怖がり、嫌う人がいるかもしれないが、その国と闘う中国人がいることを知ってほしい。日本は今、本当に人が人として生きられる社会かと考えれば、人ごとではない」と話している。

 特集上映の問い合わせは、ポレポレ東中野=電03(3371)0088=へ。

池谷薫監督特集のチラシ(いずれも蓮ユニバース提供)

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