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【首都圏】

<お空のみかた 予報士記者の気象雑話>都市の局地的豪雨 「不安定」は激しい現象の予兆

 「ゲリラ豪雨」「局地的大雨」という言葉をよく聞くようになりました。短時間の大雨は予測が難しい上、都市部で深刻な被害をもたらすこともあります。

 昨年八月、東京都世田谷区付近で一時間に約一一〇ミリの猛烈な雨が降り、練馬区でも七四・五ミリを観測しました。埼玉県内では首都高速道路が冠水して通行止めになりました。

 都会は水が浸透しにくいアスファルトやコンクリートで地面が覆われているため、地下鉄の通路や地下街に急激に雨水が流れ込む危険もあります。二〇〇八年の豪雨では大田区や豊島区で、地下工事の作業員らが浸水で溺死する痛ましい事故がありました。

 局地的大雨を正確に予測する技術は確立していません。ただ、天気予報で豪雨が発生する時のキーワードがあります。「大気の状態が不安定」。この言葉が出たら、都市部で通勤・通学に向かう人は警戒が必要です。

 少し前のお風呂では、水を沸かした時に冷たい水は下に、暖かいお湯は上に集まります。これが水にとって「安定」した状態です。お空も一緒。冷たい空気が下に、暖かい空気が上にあると「安定」しています。

 都市部のコンクリートやアスファルトは、水を通しにくいだけでなく、熱をためやすい特徴もあります。このため、暖かい空気が下になる「不安定」な状態になりやすくなります。天気予報で「上空に寒気が張り出している」となればさらに注意。気温差が激しくなり、不安定さが一段と増します。

 ここまで条件が整うと、きっかけさえあれば豪雨などの激しい気象現象が起きます。「きっかけ」の一つが、異なる方向から来る風がぶつかり合って集まる「収束」です。ぶつかり合った風は上昇気流となり、積乱雲を発生させます。

 首都圏で特に注意が必要なのは、練馬区北部から埼玉県境付近とされています。このあたりは、相模湾からの南西の風、東京湾からの南風、鹿島灘からの北東風がぶつかり合う条件がそろっているからです。

 予測は難しいものの、豪雨直前の雲の動きは、気象庁や民間気象会社のサイトで確認できます。外出前に天気予報を確認し、最新の情報を小まめにチェックしましょう。 (布施谷航)

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