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【首都圏】

<ようこそ!バリアフリー温泉/山崎まゆみ>結の宿 別邸つばき(秋田・男鹿温泉郷) 不自由さ忘れる心遣い

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 この旅館、どこがバリアフリーなんだろう−。秋田県の男鹿半島にある別邸つばきの第一印象です。

 晴れた日は海に注がれる陽光がきらきらとして、つばきからはその美しい海を近くに感じられる絶好のロケーション。なまはげの郷(さと)である男鹿半島らしく、エントランスではなまはげ像が迎えてくれます。

 フロント奥には貸し出し用の車いすが置かれてあります。花柄模様の車輪カバー=写真(1)=を借りれば畳を痛めることもなく、和室でも車いすを使用できます。

 ロビー横にはオストメイト対応の多機能トイレがあります。トイレ表示は無機質な車いすマークではなくて、ぬくもりを感じられるかわいらしいイラスト表記。

 客室に向かうエレベーターホールには、大きな柱があり、柱には細かい凹凸が施され、つかまりやすくなっています。

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 玄関で靴を脱いで客室=同(2)=に入ります。靴箱の上は腰掛けられるスペースがあるので、楽な姿勢で靴を脱ぐことができます。

 大浴場の露天風呂=同(3)=にいくと、お風呂の中央に太い丸太と岩が配されていました。「お風呂の中を安心して歩いていただくために手すりがわりに丸太を置きました。体のご不自由な方の中には入浴している姿を見られたくない方もいますので、目隠しのための岩です」とは鈴木錦一社長のご説明。

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 元々漁師料理だった名物・石焼き料理=同(4)=をいただく食事処(どころ)には半個室があります。空間を仕切るパーテーションにも、つかまりやすい框(かまち)が施されています。

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 「うちには手すりがないでしょう」と鈴木社長がほほ笑みます。「旅館は非日常をあじわっていただく場です。お客さまには、体が不自由であることを忘れてほしいと思っております。手すりがあると、自由がきかない体であることを自覚するじゃないですか」。この言葉を聞いて、バリアフリーであることを感じさせない心遣いを知りました。

 男鹿半島全体でバリアフリーに取り組んでいます。公共施設で借りた車いすは男鹿半島ならば乗り捨てができます。例えば、つばきで借りた車いすを、翌日に立ち寄った「なまはげ館」で返してから帰路につくこともできるのです。 (温泉エッセイスト・山崎まゆみ)

<結の宿 別邸つばき(男鹿温泉)> 秋田県男鹿市北浦湯本中里81 車いすで利用できるバリアフリー対応の客室は40室。和モダン16室。和室24室。1泊2食付き2人利用1人1万5000円〜、食事は半個室もあるダイニングで。貸し出し備品は電動車いすは要予約。手押しカート5台、食事処で使用するカート2台。電0185(33)2151。男鹿半島内のバリアフリー情報は、男鹿なび(https://oganavi.com/)、男鹿温泉郷協同組合(http://e-ogaonsen.com/)

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