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【首都圏】

<しみん発>ギャンブル依存 家族で治療 ホープヒル代表・町田政明さん(66)

ホワイトボードに相談者の意見などを書きながら、グループセラピーをする町田政明さん=横浜市旭区で

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 治療には家族の理解が不可欠−。NPO法人「ギャンブル依存ファミリーセンター・ホープヒル」(横浜市旭区)は、ギャンブル依存症者への対処法を教える家族教室などを開いている。町田政明代表(66)は「当事者は金に困ると家族に頼る。対応次第では両者とも不幸になってしまう」と、本人以外への支援も重要と語る。 (鈴木弘人)

 「肩代わりして借金を返しても、本人がまた同じことをするという繰り返し。真面目な家族ほど苦しむ」

 消費者金融などは、借金を完済した依存症者を「優良客」とみて、限度額を引き上げる。そうすると、再び上限いっぱいまで借りてギャンブルに使ってしまう。「『家族だから助けるのが当たり前』という考えを捨てるのが、何よりも大切。事の重大さに気付かせるには家族が意識を変え、本人に痛い目を見せないといけない」と説く。

 大学で心理学を学び、横浜市南区にある精神障害者や依存症者の更生施設「横浜市中央浩生館」で勤務後、二〇〇〇年に「横浜嗜癖(しへき)問題相談室・ホープヒル」を開設した。依存症全般の相談を受けていたところ、半数以上がギャンブルに関するものだった。当時はアルコールや薬物に比べ、ギャンブル依存症が病気という認識が社会に薄かった。そのため相談できる場所がほとんどなく、〇五年からギャンブルに特化するようにした。

 ホープヒルは単発でセミナーを開くのではなく、年単位の長い時間をかけた支援を想定している。「助けないのは息子や親を見捨てるように思えて、短期間では踏み切れない家族が多い」のが理由だ。十年通い、ようやく肩代わりをやめられた人もいた。家族教室では、質問に対する返答から見えてくる行動の矛盾点や不適切な点を一つずつ指摘し、自身を見つめ直してもらう「グループセラピー」を主に行っている。

 「依存症は進行していく病気。加えて、本人はいつでもやめられると思っているから、そうと認めないことが多い」と町田さん。周りの人がいち早く症状に気付くのが必要と考え、各地でセミナーも開いている。

 「パチンコ・パチスロ店はどこにでもあり、依存症になる恐れは誰にでもある。重度の状態から回復して仕事に就いた人も多い。苦しむ人を一人でも減らしたい」と強調した。

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<まちだ・まさあき> 川崎市川崎区出身。日本大文理学部心理学科卒業後、更生施設勤務を経て立ち上げたホープヒルは2010年4月にNPO法人化した。問い合わせは=電045(364)5289=へ。

 

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