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【首都圏】

<発掘された日本列島 新発見考古速報2019> (1)墨古沢遺跡

狩猟用と考えられる台形様石器(墨古沢遺跡出土)=千葉県酒々井町教育委員会蔵

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 全国各地で毎年8000件以上行われる発掘調査の中から、注目の12遺跡の出土品など約570点を紹介する「発掘された日本列島2019」展(東京新聞など主催)が、東京都墨田区の江戸東京博物館で開かれている。展示品から選(え)りすぐりの一品などを、文化庁の本展担当者に解説してもらう。

 竪穴建物が一般化した縄文時代よりも前の旧石器時代の人びとは、簡素なテントに住み移動生活を営んでいた。このため、当時の集落や野営地は、生活道具の石器を作る際に生じた破片の散らばり(石器集中部=ブロック)や、たき火跡などの生活痕跡から推測する。

 今回展示する旧石器時代の墨古沢(すみふるさわ)遺跡(千葉県酒々井町)では、石器集中部やたき火跡が、巨大な環(わ)を描くように検出された。これら痕跡の脇にはテントが並んでいたと想定できるので、専門用語でいう「環状ブロック群」、すなわち環状をなす集落跡と考えられる。その規模はなんと南北径約七十メートル、東西径約六十メートル、一時期に作られた旧石器時代集落としては日本最大級である。

 石器の石材は、広く北関東や信州や神津島からもたらされている。移動生活とはいえ、その生活・交流範囲の広大さにはただ驚くばかりである。約三万四千年前、広大な範囲を移動した人びとが、この地で巨大な集落を営んだ背景は一体何か。発掘された日本列島展で、万古の歴史の謎に触れてみませんか。

 (森先一貴・文化財調査官)

◆江戸東京博物館で来月21日まで開催

 本展は七月二十一日まで、江戸東京博物館で開催中。月曜休館(ただし七月十五日は開館し、翌十六日は休館)。問い合わせは同博物館=電03(3626)9974=へ。

 

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