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【首都圏】

<ようこそ!バリアフリー温泉/山崎まゆみ>家族旅行同行ルポ(上) 相模原から富士レークホテルへ

介護タクシーに乗り込む。車いすを押している人がトラベルヘルパー、受けているのは運転手

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 「母に富士山を見せてあげたい。温泉に入れてあげたい」という毎年恒例の一家の旅に同行しました。

 行き先は昨年七月の連載初回で紹介した「富士レークホテル」(山梨県富士河口湖町)。ご高齢の方や、身体が不自由な人が使いやすい山梨県の河口湖畔に立つ瀟洒(しょうしゃ)なホテルです。

 相模原市のホームで暮らす母(83)、長男(48)、長女(49)三人の旅。ヘルパーの資格を持つ外出支援専門員「トラベルヘルパー」(女性)が寄り添います。

 「介護状態(要介護4)になった母が一時帰宅できるようになり、最初は母の故郷の北海道の小樽に連れていきました。たまたま雑誌でトラベルヘルパーを知り、依頼しました」と長男が話します。

 北海道までのフライトは想像以上に母を疲れさせ、もう一度訪れるのを母は嫌がりました。そんな時にバリアフリー温泉の富士レークホテルを知りました。

 五年前、「母が暮らすホームから車で二時間で行けるので」(長男)と、二泊三日で計画しました。ただ、ホテル周辺の観光地を巡る忙しい旅は、やはり母を疲れさせました。

 試行錯誤を重ね、ホテルでの滞在時間を十分にとった旅にたどり着きました。毎年、春の大型連休に三人でのんびり過ごすため訪れます。帰る時に、翌年の予約を入れるのも恒例です。

 今年の家族旅行も母が暮らすホームに子供たちが集合し、介護タクシーでホテルまでやってきました。客室に入ると、長男はすぐにベッドに防水シートを敷き、身体を安定させるための小型クッションを母の脇に三〜四つ置きます。部屋には使いなれた介護用品を並べ、母が快適に滞在できるよう整えました。

 ただ、移動は常に車いすを使い、食事や入浴などに介助が必要な母のサポートは全てトラベルヘルパーが担います。

 ベッドにいる時間が長い母を慮(おもんぱか)り、ベッドから富士山とテレビが見やすい客室を利用します。この部屋はバリアフリー対応の貸切風呂に隣接しています。引き戸一枚で、目の前に富士山がそびえる絶景のお風呂があるのです。

 「母は、ゆっくり休めて、ホームでは食べられない食事ができて、家族がそろうこの旅が一番満足できているみたいです」(長男) (温泉エッセイスト・山崎まゆみ)

<トラベルヘルパー> 介護技術と旅の業務知識をそなえた「外出支援」の専門家。介護旅行を専門とする「あ・える倶楽部」はトラベルヘルパー付きの旅の手配も請け負う。「あ・える倶楽部」=電03(6415)6480=へ。

母と長男の家族写真=いずれも山梨県富士河口湖町で

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