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【首都圏】

地域に命宿す現代美術 「大地の芸術祭」20年 18日まで新潟で

屋外展示作品「たくさんの失われた窓のために」

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 新潟県の十日町市と津南町にまたがる地域で三年に一度、開かれる現代美術のイベント「大地の芸術祭 越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ」が二〇〇〇年にスタートしてから今年で二十年。作品は通年鑑賞できるものが多いが、夏休み特別企画として作品の特別公開やツアーが開催されている。十八日まで。 (出田阿生)

 大地の芸術祭は、瀬戸内国際芸術祭などを手掛けるアートディレクターの北川フラムさんが、過疎化や高齢化が進む地方を再生しようと企画した。これまでに七回開催され、約二百点のアート作品が地域に点在している。アーティストが地元に滞在し、その土地ならではの価値を発信する作品をつくるのが特徴だ。

 そのひとつが、フランスのクリスチャン・ボルタンスキー氏とジャン・カルマン氏が手掛けた「最後の教室」(十八日まで公開)。十日町市の山あいにある廃校となった小学校の建物全体を作品にした。理科室の壁は黒く塗られ、人の心臓の鼓動音がスピーカーを通して大音量で流れる。廃校に「生命が再び宿った」という意味を込めたといい、まるで建物自体が生き物になったような錯覚に陥る。

 この小学校を卒業し、近所で農業を営む小野塚正司さん(69)は「先輩も大勢がこの世からいなくなったけれど、学校が作品になると、過去の夢を見ているような気持ちになる」と語る。

 やはり廃校を利用した十日町市の「絵本と木の実の美術館」。絵本作家田島征三さんが手掛けた。最後の在校生となった三人の小学生をモデルにした楽しいオブジェが教室中に置かれる。こちらは一年を通して鑑賞できる。

 草間弥生さんのオブジェなど、各地には野外展示が多数ある。十日町市の桔梗原うるおい公園にある内海昭子さんの作品「たくさんの失われた窓のために」は、〇四年の新潟県中越地震の犠牲者への追悼の思いを込めたという。揺れるカーテンと窓枠を通して、高台からの美しい景色を見晴らせる。

 首都圏からは上越新幹線の越後湯沢駅経由で気軽に訪れることができる。十八日までの期間限定の共通鑑賞券は一般二千五百円(小中学生千円)。同駅発着で主要施設をめぐる昼食付きツアーも毎日開催。問い合わせは「大地の芸術祭の里」総合案内所=電025(761)7767=へ。

 

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