東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

シイタケが語る原発 ドキュメンタリー映画「失われた春 シイタケの教え」

映画「失われた春シイタケの教え」から

写真

 福島県の阿武隈山地は、東京電力福島第一原発事故が起きるまでは、日本のシイタケやシイタケ原木栽培の一大拠点だった。事故後、出荷はほぼ止まったまま。里山で農家や原木生産者らはどんな時を過ごしてきたのか。ドキュメンタリー映画「失われた春 シイタケの教え」を田嶋雅已監督(65)が完成させた。 (鈴木久美子)

田嶋雅已さん

写真

 「福島の雑木の山は宝物だった。失われて初めて気付いた」。映画の中で、シイタケ農家が言う。

 阿武隈山地では長年、コナラの木を薪や炭にしてきた。昭和四十年代ごろからシイタケ栽培用に転換し、質の良い原木に育てて全国に出荷してきた。

 シイタケは他の作物に比べて土壌の放射性物質が移行しやすい。事故後、シイタケも原木も、なかなか安全基準としての指標値を下回らない。農家らはやりきれない怒りを抱える。生産を断念した人も、続ける人もいる。そんな思いを映画は伝える。

 写真家の田嶋さんは、原発に関わる土地や炭坑で働く女性らを撮ってきた。映画を撮るのは初めて。

 原発事故の翌年、茨城県のシイタケ農家を取材した際に阿武隈の原木栽培を知った。生産者の姿を正確に伝えたい、と東京都八王子市から福島県郡山市に居を移して五年間、撮影を続けた。

 「シイタケは小さな作物だけれど、(生育の)背景には里山という大きな存在があり、生産者はその守り人。そう気付かされた」。人間の視点からではなく、シイタケに原発を語ってもらおうと「シイタケの教え」という副題を据えたという。

 「生産者が、里山の再生は俺たちの手でやるという一点を確認できれば、知恵を出し合い、未来を描くことができるのではないか」と期待を込める。

 上映は二十一、二十六日に東京都中野区東中野、ポレポレ東中野の「福島映像祭」で。二十二日には相模原市南区の相模女子大グリーンホール多目的ホールで午後七時から上映会がある。問い合わせは上映実行委員会=電090(4610)6895=へ。

◆上映日

21、26日 ポレポレ東中野

   22日 相模原市・相模女子大

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報