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【首都圏】

<しみん発>吹き矢の「輪」世代超え 遊矢家会長・谷川広治さん(72)

真剣な表情で吹き矢を構える講座参加者=東京都八王子市で

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 健康の輪を広げたい−。東京都八王子市の吹き矢サークル「遊矢家(ゆうやけ)」は会員同士の交流だけでなく、市内各地での体験会に力を入れている。谷川広治会長(72)は「集中して狙いを定め、腹式呼吸で息をぷっと吐く。心身ともに健康になりますよ」。発足から三年半。小学生からお年寄りまで、じわじわと魅力が広がっている。 (布施谷航)

 八月六日、八王子市みなみ野の「みなみ野病院」コミュニティールームで開かれた体験会。地域のお年寄り約十五人が参加した。興味津々で筒をのぞき込む男性、恐る恐る矢を手に取る女性。十分ほどたつと、それぞれ真剣な表情で約五メートル先の的に向かって、吹き矢を放っていた。

 「吹き矢を手にすると、みんな同じような表情になるんです」。参加者の様子を眺めながら、うれしそうにほほ笑む。

 会は毎月九回、市内の福祉センターや市民センターなどで練習している。現在の会員数は四十二人で、年齢は六十歳以上に限定。理由の一つは、吹き矢が高齢者の健康維持に効果があるとされていることだ。

 腹式呼吸で強く息を吹き出すことは、腹筋を鍛えるだけでなく、心肺能力を高めたり、血行を良くしたりする効果があるという。病院で勧められて会の活動に参加している会員もいる。「的に向かう時に集中力を高めることは、認知症予防にいいかもしれません」とニッコリ。

 疲れを忘れ、没頭してしまうのが吹き矢の特徴。このため、練習会には休憩も欠かせない。一時間ほど練習したら、お菓子やお茶を取るのがお決まりのパターンだ。一緒に的に向かい合った仲間同士、会話も弾む。「楽しくコミュニケーションを取るのも、健康のためにいいんですよ」

 吹き矢の効能を多くの人に伝えようと、会は地域のお年寄り向けサロンへの出前体験会を開催。活動は世代を超えた広がりを見せている。七月には、夏休みの小学生らを対象に、吹き矢づくりから体験する講座も開いた。今年十一月には、小学校での出前授業も依頼されている。

 体験講座に参加した子どもたちが、家でおじいちゃんやおばあちゃんと楽しむ。その輪が広がり、世代を超えて、地域で吹き矢を楽しむ仲間が生まれる−。吹き矢に乗せた夢はどんどん膨らむ。

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<たにかわ・こうじ> 1947年、静岡市生まれ。10年以上前に吹き矢の存在を知り、即断で道具をそろえた。市内の別の吹き矢グループを経て「遊矢家」の会長に。「国際吹矢道協会」の規定に基づく段位は4段。連絡先は事務局=電042(624)6794

 

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