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【首都圏】

駒沢に再び球音 世田谷・硬式野球場が改修オープン 

増築・改修工事が完了した駒沢硬式野球場=いずれも東京都世田谷区で

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 東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園にある「駒沢硬式野球場」(1970年完成)が改修され、再び球音が響き渡っている。完成式典が行われた先月30日、実際に足を踏み入れてみた。出迎えてくれたのは、フワフワした人工芝。“ビニール感”がまったくなく、色も天然に近い。観客席は倍増以上の約3000席になった。スタンド内にはヒノキのにおいが漂う更衣室もある。 (清水幸仁)

 「小学生から、大学・社会人までプレーできます。外国人も登録していただければ、だれでも使えます」と球場関係者は強調した。

 田園風景が広がっていたこの地に、「駒沢ゴルフ場」ができたのは一九一三(大正二)年。四〇(昭和十五)年の第十二回東京五輪では、メイン会場に選定される。陸上競技場やプール、球技場などが建設される予定だったが、日中戦争の泥沼化で大会返上という結末を迎えた。

 戦後の五三(昭和二十八)年に、プロ野球球団「東急フライヤーズ」の本拠地「駒沢球場」として誕生。それを継いだ東映フライヤーズの本拠地でもあった。チームは北海道日本ハムファイターズの前身だ。しかし、球場としては長くは続かず、六四(昭和三十九)年の第十八回東京五輪の会場に決まり、取り壊される運命に。

 世田谷区軟式野球連盟理事長の宇田川武男さん(64)は六一年十月に行われた最後の試合を観戦したという。

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 「今の場所の隣にありました。小学校の一年生だったのでよくは覚えてはいないんですが、薄暗かったですね。東映には張本、毒島(ぶすじま)といった選手がいました」

 宇田川さんは東京五輪の開会式についても「五輪の輪を描く自衛隊機が白い煙を出しながら近くを飛んでいきました」と克明に覚えている。

 駒沢公園は、屋内球技場で「東洋の魔女」といわれた女子バレーが金メダル。体育館ではレスリングが五個の「金」を獲得した“五輪のパワースポット”。五輪終了後、野球場は公園内の別の場所に建設され、主にアマチュア野球に使用されている。

 三度目の第三十二回東京五輪、そしてパラリンピックでは競技は行われない。期間中、使用できない球場に代わって、高校野球の予選会場になったり、サッカーなどの練習に使われたりするだけの「脇役」だが、じっとその時を待っている。

駒沢オリンピック公園総合運動場の硬式野球場(手前)=本社ヘリ「あさづる」から

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