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【首都圏】

戦時の教育弾圧描く 19日、立教大 ドキュメンタリー上映

子どものころに描いた「想画」を前に当時を振り返る高齢男性(番組から)

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 昭和の戦時下、山形の子どもたちが農村社会の暮らしぶりをありのままに表現した絵や作文を禁じた治安維持法による教育弾圧に迫った山形放送のドキュメンタリー番組が高い評価を受けている。十九日、制作者を招いた上映会が東京・池袋の立教大学で開かれる。

 番組は「想画(そうが)と綴(つづ)り方(かた)〜戦争が奪った“子どもたちの心”〜」。今年二月、第三十三回民間放送教育協会(民教協)スペシャルとして加盟三十三局で放送され、八月の二〇一九年度日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞も受賞した。

 舞台は山形県東根(ひがしね)町(現東根市)の長瀞(ながとろ)尋常小学校。昭和五(一九三〇)年、青年教師の国分一太郎(こくぶんいちたろう)さん(後の児童文学者)が赴任し、児童らに家庭や畑仕事など困窮した身近な生活を見つめさせ、絵に描く想画、作文や詩に書く綴り方の文化教育を実践した。

 だが昭和十二年に始まった日中戦争後、国は統制を強め、文化教育は共産・社会主義的だとして国分さんは教壇を追われた。治安維持法違反の罪で文化教育を行う各地の教師たちが逮捕され、国分さんも有罪判決を受けた。

 番組は、現在の長瀞小に保管されていた九百点以上の想画や数多くの文集に光を当て、九十歳を超えた教え子たちを訪ね歩き、のびのびと自由に表現させる教育の大切さを訴える。

 制作した山形放送報道制作局長の伊藤清隆さん(58)は「当時の弾圧は、忖度(そんたく)やネット叩(たた)きなど息苦しさを増す現代社会にも通底するのではないか、との思いを込めた」と話す。

 上映会は午後一時半から、立教大14号館D201号教室で。上映後、伊藤さんと砂川浩慶(すなかわひろよし)立教大教授のトークがある。参加費五百円、学生無料。事前申し込みは不要。問い合わせはJCJ事務局=電03(3291)6475(月水金曜の午後)。(野呂法夫)

伊藤清隆さん

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