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【首都圏】

宗教画&旅行ガイド?富士宮で企画展 富士山の参詣曼荼羅を紹介

国の重要文化財「富士曼荼羅」

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 静岡県富士山世界遺産センター(富士宮市)で企画展「富士山の曼荼羅(まんだら)−参詣曼荼羅にみる富士山信仰の世界−」が開かれている。神仏が描かれた宗教画でありながら、旅行ガイド的な役割も果たした作品の流れを、全十一点の展示で振り返る。二十四日まで。 (前田朋子)

 参詣曼荼羅とは、神社や寺への参拝・参詣を目的に描かれた宗教的な案内絵図のこと。十六〜十七世紀のものが多く、全国四十カ所以上の寺社に百五十点ほどが現存している。富士山を描いたものを集めた。

 どの絵にも共通するのが、高度とともに神聖さが増す様子。麓には登拝者だけでなく、漁や潮くみ、お茶を売る人など当時の生活が描かれる。中腹では水ごり場で登拝者が水浴びをし、白装束に着替える姿も。さらに上では当時登ることが許されなかった女性の姿が消え、山頂には大日如来など仏や神、またはそれに代わる光などが描かれる。

 国の重要文化財で、富士山本宮浅間大社所蔵の「富士曼荼羅」(十六世紀初〜中ごろ)は、狩野元信(一四七七〜一五五九年)の工房で製作されたとみられる作品。当時「表口」と呼ばれた村山口(現在の富士宮市側)からの景観は、駿河湾や三保松原を入れた名所図でもあり、かすみで「聖域」を分割して神聖度を示す構図になっている。

 富士山の曼荼羅はすべて現在の静岡県側から描かれ、北側から描かれたものがない。当時は北側の登山道が未整備だったなどと推測されている。

 今回はその前提を踏まえ、山梨県立富士山世界遺産センター(同県富士河口湖町)が現代画家の山口晃さんに依頼した、「冨士北麓参詣曼荼羅」の原画も特別出品される。北麓から見た富士を世界遺産の構成資産とともに描いた作品。

 山口さんの作品以外は、すべて高精度のデジタル印刷による複製。文化財保護の規定照度より明るい室内で展示でき、描かれた人や物を詳細に鑑賞できる。詳しく見たい人には単眼鏡の貸し出しも行う。

 入館料(大人三百円、七十歳以上、大学生、障害者等無料)のみで観覧可。

山口晃さんの「冨士北麓参詣曼荼羅」(2016年)(いずれも静岡県富士山世界遺産センター提供)

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