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【首都圏】

「助けます」マークあります 女子高生や障害者、支え合う意思示す

「ヘルプマークを知るだけでなく、アクションを起こしてもらうのが目標」と話す生徒たち=東京都品川区で

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 「『お手伝いできます』マークがあればいいのに」−。外見では分かりにくい障害や病気があることを知らせる東京都が作った「ヘルプマーク」に対して九月、こんな読者の投稿を本紙「発言」欄で紹介した。すると「すでにあります」との情報が相次いで寄せられた。一体どのようなマークで、それを制作した思いとは? (小形佳奈)

 「高校生が文化祭でグッズを販売していました」と別の読者が知らせてくれたのは、中高一貫校の品川女子学院(品川区)。

 四年(高一)E組の生徒たちを訪ねると、校内の起業体験プログラムで「ヘルプマークの理念を理解した上で、支援の意思を示す」マークを考案していた。

 デザインはハート形を基調に「i−sign(アイ・サイン)」の文字。ハートの左側の赤いキャラクターがヘルプマークの使用者を、右側の青いキャラクターが支援者を表す。

 てんかんの持病がある級友が「ヘルプマークの認知度が低いのをなんとかしたい」と提案したのがきっかけで制作し、デザイナーやヘルプマーク使用者から助言も受けた。

 九月下旬の文化祭では、ヘルプマークに関する展示を行い、考案したマークをあしらったスマートフォンの落下防止用具と、小型のトートバッグを販売した。

 代表の児玉萌さん(16)は「スマホ用品なら電車内で注目してもらえると考えた」と話す。文化祭後も商品の販売ルートや、来年の東京五輪・パラリンピックでの活用法を探っている。

 もうひとつは、新宿区障害者福祉センター内の作業所で働く坂野雅彦さん(46)が考えた「おたすけマーク」。「助けてください」と訴える青いハートと、「なにかお困りですか?」と問い掛ける赤いハートが対になっている。

坂野雅彦さん

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 坂野さんは重度の脳性まひで手足が不自由だ。自動販売機で切符や飲み物を買う際、道行く人に助けを求めても、言語障害で聞き取りにくいせいか無視されることが多いという。

 「頼める人が事前に分かっていたら、頼みやすい」と思い、区内の小学校の協力を得て考案。九月、インターネット上で費用を募り、缶バッジを制作した。

 「おたすけマークは誰もが支え、支えられるという相互関係を築くことができる」と坂野さん。作業所の非常勤職員安東七瀬さん(41)と普及活動をしており、協力者を募っている。

支援と要支援双方の意思を表す「おたすけマーク」

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 都には、支援の意思を示すマークに関して多数の提案が届いているという。

 都福祉保健局障害者施策推進部の島倉晋弥・共生社会推進担当課長は「困っている人を助けたいという気持ちの現れ。ただ、ヘルプマークの認知もまだ十分とはいえない。助けを必要とする人をみんなで支援する社会の実現に向け、認知度を高めたい」と話す。

 《9月26日掲載の「発言」要約》

 電車で隣の男性がヘルプマークを着けていたのです。意味を知りたいと思いました。また「お手伝いできます。気軽に声をかけてください」と相手に知らせるマークがあれば、お互いに声をかけやすいのではないでしょうか=茨城県牛久市の主婦長沢直美さん(72)

<ヘルプマーク> 赤地に白い十字架とハートをあしらったデザイン。義足使用や内部障害、難病など配慮を必要とする人が、周囲に援助を求めやすいよう2012年に東京都が制作。17年7月に日本工業規格(JIS)に追加されて全国共通のマークとなり、各道府県で導入が進む。

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