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【首都圏】

<ふるさと発>愛知・江南から 平和の柿 実る 被爆の木2世に初めて

実を付けた被爆2世の柿の木=いずれも愛知県江南市で

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 長崎の原爆投下で被爆した柿の木の「二世」が、愛知県江南市内に植樹されてから、初めて実を付けた。被爆した土地から遠く離れた場所で時を超えて実を結び、平和の理念を後世に伝え続けている。

 長崎市の樹木医・海老沼正幸さん(70)が一九九四年に治療した被爆柿の木の苗木を平和への願いを込めて子どもたちに配り始めた「時の蘇生(そせい)・柿の木プロジェクト」の一環で、これまでに世界二十六カ所、国内では八十六カ所に植樹。江南市では二〇一六年、昭和期に活躍した市出身の書家大池晴嵐の功績をたたえる書道の美術館「晴嵐館」の庭園に植樹した。

 晴嵐の孫の妻で、書道教室講師の大池久美子さん(55)は「植樹当初はなかなか葉を付けず、枯れてしまったのかと心配が尽きなかった」と話す。同館のスタッフらが水やりをし、冬は根元をわらで覆うなどして世話をしてきた。

 大池さんによると、実を付けた柿は九つ。七月に小ぶりの実が付いているのを見つけ、九月に入って徐々に色づき始めたという。直径六センチほどで、高い糖度の特徴である黒い小さな点がびっしりとあり、渋味はなく甘くておいしかった。食べても医学的に問題はないという。

 大池さんは「柿の木は戦争を忘れないようにする役割を果たしている。来年も実を付けてほしい」と話している。 (鈴木里奈)

無事生育し実った柿

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