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【首都圏】

奴隷貿易の歴史たどる 自然保護団体代表の上さんが本出版

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 アフリカから連れ去った人々に、新大陸で過酷な労役を課した人類の負の遺産を解き明かす「奴隷貿易の旅」(歴史の旅クラブ)を、山岳環境保護団体「山はみんなの宝クラブ」代表の上幸雄(うえこうお)さん(74)=写真、東京都小平市=が出版した。温暖化対策などの国際交渉で、先進国と途上国が衝突する歴史的背景を知る上でも貴重な資料となっている。 (蒲敏哉)

 上さんは早稲田大学探検部時代、アフリカのナイル川全流を探査した。その際、かつて奴隷を連れ出した拠点を訪ねて奴隷貿易に関心を持ち、五十年以上にわたり欧州、アフリカ各地を取材してきた。

 「スペイン、ポルトガルによる大航海、英国による植民地拡大は、アフリカからの奴隷貿易の歴史と歩みを共にしている」という上さん。「産業革命以降の先進国の環境への責任論が議論されているが、英国のエリザベス一世が海賊と組んで奴隷貿易や略奪をしてきた歴史は、アフリカ諸国がなぜ先進国に厳しい姿勢を示しているかを知るきっかけになる」と指摘する。

 「奴隷として取引された人は数千万人に上る。連れ去りや、運ばれる途上で亡くなった人を含めると、犠牲者ははるかに上回るという説もある」と訴える。

 現地ルポを中心に、写真や資料から人身売買が始まった状況や、アフリカの奴隷収容施設の今も紹介。タイムスリップ感覚で読める紀行文ともなっている。

 A5判、二千円(税込み)。問い合わせ、購入は「『奴隷貿易』発見の旅」ウェブサイトで。

 

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