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【首都圏】

ウミガメの冒険で海を知る プラごみ問題考えるきっかけに 保護・研究の大牟田さんが本

産卵のため上陸したアカウミガメの体長を測定する=鹿児島県屋久島町のいなか浜で(大牟田一美さん提供)

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 アカウミガメが北米沿岸へと太平洋を往復する大冒険を描いた本「うみがめ花子〜屋久島へ 16000キロの旅〜」が出版された。プラスチックごみなどで海洋汚染が進むなか、作者らは「長い旅と生態を知って、海のごみ問題も考えてほしい」と話す。 (野呂法夫)

大牟田一美さん

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 鹿児島から南へ百三十キロ。縄文杉で知られる世界自然遺産・屋久島の浜辺で生まれた花子は、黒潮に乗って大回遊の旅に出る。ザトウクジラやシャチとも出合い成長していくが、メキシコ沿岸の漁師の網で捕獲され、ピンチに陥る。

 だが運良くウミガメの研究者に救われ、ハワイ諸島を経由して生まれ故郷へと向かう。そして約十年の旅を終えて屋久島の浜に上陸し産卵する話だ。

 執筆したのは、NPO法人屋久島うみがめ館の大牟田一美(おおむたかずよし)さん(69)。三十五年間、産卵地のいなか浜でウミガメの保護や調査を続け、会員向け「うみがめ通信」の連載を物語としてまとめた。通信で絵を描く札幌市在住のグラフィックデザイナー熊澤英俊さん(44)がイラストを手がけた。

 アカウミガメは福島県以南の海岸で産卵するが、五〜七月の夜、屋久島に上陸する回数は日本全体の半数を占める。二〇一三年に延べ約一万五千頭が上陸し、約六千回産卵したのをピークに減少傾向にある。

 大牟田さんは七百冊余の本を島内の小学校八校の全児童に寄贈し、保護への思いを次世代に託した。

 人間が及ぼす影響について「密漁のほか、エボシガイが付いたプラごみを丸のみしたり、ビニール製定置網の混獲で溺れ死んだりする例がある」と懸念する。

 出版元の海洋工学研究所(東京都新宿区)の佐尾和子さん(75)は一九九五年、本「プラスチックの海〜おびやかされる海の生きものたち」を出版している。「今回は直接プラごみの被害を描いていないが、花子の旅を通じてウミガメの生態を知り、全国の子どもたちに自然の大切さや人間が関わる海への影響を考えてほしい」と語る。

 四六判オールカラー百二十八ページ。税別千五百円。海洋工学研究所出版部は、電03(3207)7727。

「うみがめ花子〜屋久島へ16000キロの旅〜」

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