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【首都圏】

里親委託率、数値目標に差 自治体担当者「国の目標かなり厳しい」

 虐待などで実親と暮らせない子どものうち、里親らに預けられる子の割合「里親等委託率」について、各自治体が本年度末までに策定予定の数値目標(二〇二九年度末時点)が、大きくばらついていることが分かった。首都圏では、乳幼児で75%などとする国の目標に近い数値の自治体もあれば、大幅に下回る自治体も。専門家は「データに基づく責任ある計画になっているのか、チェックが必要だ」と指摘する。 (石原真樹)

 国は一七年、実親と暮らせない子のうち、里親家庭や複数の子を養育するファミリーホームに預けられる子の委託率の目標を、三歳未満の乳幼児は75%、学童期以降を50%以上にすると決定。各自治体に義務づけは見送ったが「子どもの権利や子どもの最善の利益はどの地域においても実現されるべきもの」として、国の数値を念頭に数値目標を本年度末までに設定するよう求めている。

 厚生労働省の取りまとめ(先月六日時点)で、関東では川崎市や相模原市が国の目標値に近かったが、多くの自治体で下回った。最も低いのは横浜市で、乳幼児のうち三歳未満が31・9%、三歳以上就学前が30・4%、学童期以降は18・3%。埼玉と東京も低かった。栃木、千葉、神奈川は報告がなかった。

 委託率が二割程度の現状を踏まえると目標達成には里親を相当数増やす必要があり、「国の目標はかなり厳しい」と漏らす自治体担当者も。宮島清日本社会事業大教授(児童福祉論)は「里親養育を増やすという方向は必要だが、裏付けのない理想は危険」と指摘。「子どもが里親家庭で安全に暮らせるよう、毎年度に里親に新たに委託された子どもの数や、里親支援機関の整備状況など、データに基づいて目標を出すべきだ」として、数値目標ありきの議論を懸念する。

 目標値は、先月都内で開かれた国会議員の勉強会で厚労省が示した。各自治体は今後、パブリックコメントや議会への報告などを行ない、数値が変わる可能性がある。

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