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【首都圏】

<新型コロナ>支援物資に漢詩、日中エール交換 民間団体などで動き広がる

武漢大学からマスクのお礼に届いた写真。箱には「山川異域 風月同天」という漢詩が書かれている=日本青少年育成協会提供

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 新型コロナウイルスの感染拡大でマスクなどの医療物資が不足する中、日本と中国の民間団体などが相手国に送る支援物資に漢詩の一節を添え「困難を一緒に乗り越えよう」というメッセージを届けている。最初に漢詩を添えて物資を中国に送った一般社団法人「日本青少年育成協会」(東京都新宿区)の幹部は漢詩のエール交換に「まさかこんなに広がるとは」と驚いている。 (藤川大樹)

 「青山一道 同担風雨 青山も雲雨も共に見る友よ、一緒に困難を乗り越えましょう」。漢詩と日本語のメッセージが書かれた箱が日本医師会(文京区)に山積みになっていた。十一日にあった十二万枚のマスク譲渡式の一コマだ。

 贈り主は、中国のネット通販大手「アリババ」創業者の馬雲(ばうん)(通称ジャック・マー)氏。中国で医療物資が不足していた二月初旬に日本から防護服が贈られた返礼として、馬氏は今月に入り、計百万枚のマスクを日本に寄付すると表明。日中の医療交流に取り組む日本医療国際化機構(千代田区)が委託を受け、全国に配布している。

 最初に始めた日本青少年育成協会は、中国湖北省の武漢大や華中科技大などに計二万六千枚のマスクを送る際、箱に「加油(がんばれ)!」のエールとともに、林隆樹理事が好きな「山川異域 風月同天」という漢詩の一節を付けた。

 約千三百年前、天武天皇の孫の長屋王が唐の高僧・鑑真を日本に招く際に宛てた詩で「山や川は違えども、同じ風が吹き、同じ月を見ている」という意味。中国国内で大きな反響を呼び、中国外務省のスポークスマンも記者会見で感謝の気持ちを伝えた。以後、日本からの支援物資に漢詩が添えられるケースが増えた。

 中国で感染のピークが越えると、今度は中国から日本に支援物資を送る動きが出てきた。在日中国大使館の広報担当者によると、物資の箱には「清風高誼 患難見真情」(困難な時期にこそ、真の友情が分かる)や「守望相助 共克時艱」(助け合い、ともに難局を乗り越える)などの漢詩が添えられている。

 林氏は「同じ漢字文化圏で、古い歴史を共有している連帯感を感じることができた」と話している。

馬雲氏から寄贈されたマスクが入った段ボール箱=東京都文京区の日医会館で

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