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【社会】

「安倍一強」弱者を見て 首相 総裁3選

 20日の自民党総裁選は安倍晋三首相が連続3選を果たしたが、最近は「安倍一強」のおごりと緩みが目立つ。同党議員の失言・暴言に傷つけられた市民らは「セクハラや身内への甘さ返上を」「格差、弱者に目を向けて」と注文する。(辻渕智之、原田遼)

自民党総裁選のニュースをスマートフォンで確認する知乃さん=東京都新宿区で

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◆「セクハラ」許さない姿勢をはっきりと

 「自民党は『セクハラ罪という罪はない』と発言しても、それが許される環境なんだなと。このままだと、声を上げた被害者の側が責められる構図はなくならない」

 総裁選のニュースをスマートフォンで見て、俳優で劇団主宰の知乃(ちの)さん(20)は話した。自らの被害を告白し、演劇界のセクハラ被害者を支援している。

 前財務次官のセクハラ問題で麻生太郎財務相は失言を重ねたが、安倍首相は放任した。「すべての女性が輝く社会? もし女性の力が認められる社会ならセクハラ問題は無視できないはずだ」と思う。

 セクハラは許されないとの姿勢を明確に示して、と安倍首相に望む。「そうすれば被害者や弱者が少なくとも今よりは生きづらくなくなります」と訴えた。

「LGBTへの理解を広めてほしい」と話す七崎良輔さん=東京都江戸川区で

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◆「LGBT」制度あれば人の意識変わる

 「党としてはやはり謝らせ、訂正させるべきだ。それが党の責任ですよね」。性的少数者(LGBT)でゲイの七崎(ななさき)良輔さん(30)=東京都江戸川区=は言う。

 自民党内では、LGBTに対し「生産性がない」(杉田水脈(みお)衆院議員)「趣味みたいなもの」(谷川とむ衆院議員)などと人権感覚を欠いた表現が相次いだ。本人たちは撤回せず、党の謝罪もない。「かつては自分が同性愛者と認めるのが怖かった。それを趣味だなんて…」と七崎さんは言葉を詰まらせる。

 近年、自治体がLGBTのカップルを公的に認め始め、母はようやく同性愛を理解してくれた。「制度で認めれば、人の意識は変わる。まず自民党ではLGBTへの理解を広めてほしい。安倍さんに、そう期待するしかないですね」

安倍首相の雇用政策を批判する元派遣社員の渡辺照子さん=東京都千代田区で

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◆「派遣労働」雇い止め どう生きていけば 

 安倍首相は総裁選の演説で、経済政策の成果を何度も強調した。都内在住で元派遣社員の渡辺照子さん(59)は「そんなのウソ。実態を見て」と非難する。

 昨年末、十七年間働いた派遣先企業から「雇い止め」された。資格をとり、英語も習得して会社に貢献してきた。だが、派遣社員を三年を超えて同部署で働かせられないとする改正労働者派遣法が三年前に施行された。「正規雇用を促す目的のはずが、逆に切り捨てられた。同じ目にあった同僚も多い」と唇をかみしめる。

 今、掛け持ちするアルバイト二つのうち、一つは来春の契約打ち切りが決まっている。「これからどう生きていけばいいのか」

 

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