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【社会】

ゴーン容疑者、株価連動報酬を不記載 40億円分 逮捕容疑と別か

 日産自動車の代表取締役会長で金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者(64)が、株価に連動する報酬を金銭で受け取る権利を計約四十億円分得ながら、有価証券報告書に記載していなかったことが関係者への取材で分かった。東京地検特捜部が逮捕容疑とする報酬約五十億円の過少記載とは別とみられ、記載していなかった報酬総額が膨らむ可能性がある。

 この権利は、ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)と呼ばれ、日産では定額の役員報酬とは別に、二〇〇三年から業績向上の意欲を持たせる目的で導入している。

 ゴーン容疑者と同社代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)の逮捕容疑は、ゴーン容疑者の報酬が実際は計約九十九億九千八百万円だったにもかかわらず、共謀して計約四十九億八千七百万円と有価証券報告書にうその記載をしたというもの。

 関係者によると、逮捕容疑となった一五年三月期までの五年間、ゴーン容疑者は計約四十億円のSARを得ていた。しかし、有価証券報告書で開示されたゴーン容疑者のSARは、いずれの年もゼロか無記載だった。

 金商法は一億円以上の報酬があった上場企業の役員の氏名や金額を開示するよう義務づけており、個別開示されているほかの日産役員は、ほとんどがSARとして年間一千万〜三千万円台を得たと記載されている。

 過少記載が長く続き、不正の金額も約五十億円と大きいことから、特捜部は法人としての日産の責任も重視。法人も罰することができる金商法の「両罰規定」の適用を検討している。法人としての立件を視野に、これまでに西川(さいかわ)広人社長(65)や最高執行責任者(COO)としてゴーン容疑者を支えた志賀俊之取締役(65)らを任意で事情聴取したことも新たに分かった。

 日産自動車は二十二日、二十八日に横浜市の本社で開催を予定していた電気自動車(EV)リーフの催しを延期すると発表した。開催日は未定としている。

 金融商品取引法違反容疑で逮捕された代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者の報道が相次ぎ、適切な時期ではないと判断したとみられる。

<ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)> 業績に連動する報酬の一種。自社の株価が一定の期間内にあらかじめ決めた価格を上回った場合、その差額分が報酬となる。自社株を購入する権利のストックオプションと違い、金銭でもらえる。株価が下回った場合は受け取れない。日産の有価証券報告書には「取締役の意欲を一層高めることを目的」にしていると記載されている。

 

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