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【社会】

<税を追う>取材班から  「放置」国家でいいですか

 「キュウーン」。研究室に入るなり、騒々しい音が耳に飛び込んできた。沖縄県の辺野古(へのこ)新基地建設の取材で、沖縄国際大学(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の前泊博盛教授を訪ねたときのことだ。

 ベランダに案内されて、すぐ分かった。四階の研究室から目と鼻の先のところに米軍普天間(ふてんま)飛行場。滑走路に複数の新型輸送機オスプレイが待機していた。

 「エンジンの整備中でしょう。上空を飛んだら、こんなものじゃないですよ」。十四年前、学内に米軍ヘリが墜落した現場も一望できる。基地と人々の暮らしが隣り合わせであることをあらためて実感させられた。

 沖縄の人たちに辺野古の問題を尋ねると、決まって口にしたのが「本土の無関心」だった。みんなが納めた税金が辺野古では好き放題使われているのに、なぜ−。怒りを持たないことに、みな歯がゆさを抱いていた。

 前泊さんは皮肉まじりに、こう評した。「国民の生活を切り詰めて、他国のために基地を造る。それを放置する国民が政権の暴走を許している。日本は『法治』国家じゃない、『放置』国家になっている」

 辺野古の問題も「税」というフィルターを通してみれば、本土に住む私たちにも、より身近に迫ってくる。

 「税金がどう使われているかを考えれば、辺野古だってみんなの問題なんですよ」。海でカヌーをこいで抗議活動を続ける島袋正さん(58)の問いかけが、胸に刺さった。 (中沢誠)

 

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