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【社会】

目撃者同士で会話、記憶ゆがむ? 愛知大など研究

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 事件の目撃者同士が話し合いをすると、見たものと異なるものを見たように思うなど記憶が変わることを、愛知大文学部の井藤寛志准教授(39)=認知心理学=らの国際研究グループが発見した。論文は、国際応用記憶認知学会の研究誌に掲載された。

 一部の英語圏では現象が報告されていたが、日本を含む非英語圏など十カ国で同じ現象が初めて確認された。井藤准教授は「裁判などの目撃証言でも信ぴょう性を疑ってかかる必要性があることを示している」と話している。

 グループは、被験者が二人一組で偏光グラスをかけ、電気技師が仕事先の家で盗みをはたらく映像を一つのスクリーンで見る実験を、日本を含む十カ国で実施した。二人には同じ映像を見たと思わせ、実際にはかけてもらった偏光グラスの作用で犯人の帽子の色や逃走車両に書かれた文字が異なって見えるようにした。

 被験者の二人には、映像を見た後、目撃内容の食い違いについて話し合ってもらった上で、映像の内容について質問した。その結果、話し合わない場合は二人とも目撃内容を問う質問への正答率が六〜八割だったのに対し、話し合った場合は記憶があいまいになり、二人とも正答率が一〜四割程度にまで落ち込んだ。

 井藤准教授は「実験により、記憶の内容がいかに変わりやすいかが示された。普段の生活でも自分の記憶に自信があるときほど疑ってかかる必要がある」と話している。今後は、記憶が変わるメカニズムなどの解明を進める。

 実験には、井藤准教授の呼び掛けに応じ、ブラジル、カナダ、コロンビアなど日本を含めて十カ国の研究者が参加した。 (五十幡将之)

 

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