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【社会】

シャープ亀山工場、3次下請け 外国人1000人雇い止め

シャープの亀山工場=2017年、三重県亀山市で、本社ヘリ「あさづる」から

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 シャープの亀山工場(三重県亀山市)で働いていた日系外国人作業員のうち千人が、今年に入り集中的に雇い止めされたことが三十日、シャープの三次下請け会社で雇用主の「トラストライン」(亀山市)への取材で分かった。ごく短期の契約更新が繰り返されてきたが、シャープ側の生産縮小の影響で更新されなかったとみられる。不安定な外国人労働者の実態が浮き彫りになった。

 政府は外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案の今国会での成立を目指すが、識者からは国内での労働環境整備を優先すべきだとの指摘が出ている。

 下請け会社に法令違反が相次いでいるとして支援する弁護士らが二十二日、三重労働局に告発状を提出した。労働組合「ユニオンみえ」には雇い止めされた外国人からの相談が相次ぎ、約四十人が加入した。神部紅(じんぶあかい)書記次長は「立場の弱い外国人を使い捨てている」と批判。三重労働局の担当者は「春ごろから相談が殺到した」と話している。

 トラスト社の担当者は「シャープの都合で仕事が減り、十月までにトラスト社だけで約四百人が辞めた。他の三次下請け三社と合わせ、今年に入り雇い止めは約千人に上る」と説明している。

 担当者によるとトラスト社も含めた四社はシャープの二次下請け会社の要請を受け、四〜五年前からポルトガル語の求人誌などで作業員を募集。昨年末のピーク時に日系ブラジル人やペルー人ら約二千人を雇い亀山工場に送り込んでいた。

 シャープの減産に備え主に約二カ月の雇用契約を結んでおり、五月の大型連休前後が雇い止めのピークだった。現在、トラスト社が雇用しているのは約百人。他の三社に雇われている人はいないという。

 日本人の雇い止めの有無は不明。外国人労働者問題に詳しい四方久寛(しかたひさのり)弁護士によると、言葉の壁がある外国人は正規の職に就くのが難しい。募集や労務管理は外国人の母国語で行う専門の下請け会社が担い、悪質業者が入り込むこともあるという。四方氏は「元請けにとって都合のいい雇用調整だが、法律的な対策がないのが現状だ。外国人労働者の受け入れ拡大が議論されているが、まずは雇用環境を整えるべき」と訴える。

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◆「就労拡大には雇用環境整備を」

 シャープ広報担当者の一問一答は次の通り。

 −亀山工場の日系外国人が大量に雇い止めをされている。

 「作業員と直接雇用契約を結んでおらず、コメントする立場にない」

 −雇用している会社は。

 「『トラストライン』など五社は把握している。いずれも三次下請けの作業請負会社」

 −日系外国人作業員人数は。

 「工場での製造数量や納期を指示しているのは一次下請け会社。そこが必要な作業員の人数を決めている。三次下請けから実際に工場に入ってきた作業員数は把握していない」

 −雇い止めは液晶ディスプレーの減産が原因なのか。

 「取引先との関係があるので、減産については話せない」

 

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