東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ミニブタ2頭、検査せず処分 「豚コレラ予防」岐阜の県営公園

展示・観賞用のミニブタが安楽死させられた「ぎふ清流里山公園」の豚舎=岐阜県美濃加茂市で

写真

 豚(とん)コレラが発生した岐阜県で、県営の「ぎふ清流里山公園」(同県美濃加茂市)が飼育していたミニブタ2頭を、公園を管理する事業者が検査のないまま感染予防目的で殺していたことが、分かった。農林水産省は「適切に管理していれば殺す必要はない」としており、家畜伝染病予防法に基づく殺処分には当たらず、動物愛護法に抵触する恐れがある。

 関係者によると、公園は指定管理者制度で運営されており、管理事業者が十一月二十二日、「確実な防疫のため処分したい」と電話で県に相談。県は「やむを得ない」と判断し、二十七日夜に地元の獣医師が安楽死させて園内の敷地に埋めた。

 事業者は、県内で野生イノシシの感染が確認され、養豚場が近くにあることや公園には不特定多数の人が出入りすることを懸念したとみられる。

 処分には複数の県職員が立ち会った。県は事実関係を大筋で認めているが「積極的に公表する事案ではない」としている。

 二頭は展示・観賞用として飼われていた「とん吉」と「とん平」で、地元の子どもたちにかわいがられていた。処分を知らされた住民は「健康なのに殺される理由が分からない」と悲しんでいる。豚コレラは九月に岐阜市内の養豚場での発生が判明。その後、六十頭以上の感染イノシシが見つかり、先月十六日には岐阜市畜産センター公園でも豚の感染が確定した。

<元農林水産省動物衛生課長の姫田尚氏の話> 家畜伝染病予防法は、感染が確認された家畜などの殺処分についての規定はあるが、予防的な処分は想定していない。感染を防ぐためには家畜の移動制限や消毒の徹底など、感染のリスクを低減させることが基本だ。非常時には予防的に殺処分をすることもあり得るが、宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)のように、極めて例外的な場合に限られる。安易な殺処分は動物福祉の観点からも問題で、今回の岐阜県の対応は行き過ぎではないか。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報