東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「却下とは」検察衝撃 元判事「捜査機会もう十分」 ゴーン前会長

カルロス・ゴーン被告の勾留延長却下の決定を受け、東京拘置所前に集まった報道陣=20日、東京都葛飾区で

写真

 逮捕が世界に衝撃を与えた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が、保釈される可能性が出てきた。東京地裁が東京地検の勾留延長請求を却下した二十日、検察幹部からは「理解に苦しむ」と驚きと怒りが。今後、どのような条件を満たせば、保釈につながるのだろうか。 (山田雄之、蜘手美鶴、小野沢健太)

 「裁判所は司法の独立を自ら失った」。ある検察幹部は、勾留延長を認めない決定に、いら立ちをあらわにした。

 長期間の勾留は、自白を得るための「人質司法」だとして、海外メディアの批判の的となった。幹部は「決定の大きな要因だと思う。裁判所は世論と離れることを気にした。ゴーン被告でなかったら、延長は認められていた」と憤る。

 計八年分の虚偽記載容疑を二回に分けての逮捕に、「捜査の実情を知らなければ、計四十日間の勾留は理解に苦しむのかもしれない」と話す幹部も。別の幹部は「勾留が数日減ることは覚悟していたが、却下とは…」とぼうぜん。「事件の状況や証拠は、容疑事実の年ごとに異なるのだが」と嘆いた。

 保釈の可能性が浮上し、上級庁の幹部は「ルノーの最高経営責任者の立場があるので、逃亡の恐れはないと思うが、任意の取り調べは難しくなるだろう」と、捜査への影響を案じた。

 地検の久木元伸(くきもとしん)次席検事は二十日の定例記者会見で「必要だと思って勾留延長を請求したので、影響はあると思う。最善を尽くしたい」と話した。

 一方で、元東京高裁判事の木谷明弁護士は取材に「勾留延長の却下は、驚くべき判断ではない。ゴーン氏は外形的な事実を認めている。争点は、不記載分の報酬支払い約束が確定的なものだったかどうか。その点では最初の五年分も直近の三年分も同じで、もう十分に捜査の機会があったと考えられる」と指摘。「外国からの批判も受け止め、検察からの勾留請求をフリーパスしてきた、従来の裁判所の姿勢を反省する絶好の機会になるのでは」と語った。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報