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【社会】

進む証明書交付機の撤去 進まぬ個人番号カード交付 窓口混み「本末転倒」

12月末で撤去される豊島区役所の自動交付機(圷真一撮影)

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 住民票や印鑑証明などを窓口の時間外に取得できる証明書自動交付機が、役所から姿を消しつつある。本紙が東京二十三区と関東の五政令市に調査したところ、交付機を設置していた十九市区のうち、十二市区が撤去済みで、五市区も撤去を決めていた。マイナンバー(個人番号)カードを使ったコンビニエンスストアでの交付へ移行を促すためだが、カードの普及は進んでおらず、窓口を利用する住民が増えて混雑する逆効果も生じている。 (山田祐一郎)

 昨年九月末に二十二台あった自動交付機を撤去した東京都板橋区。「窓口での発行数が約一・五倍に増加した」と担当者は話す。それまで住民票や印鑑証明などの交付の半数近くは、区が発行する専用のカードで利用できる自動交付機が担っていた。撤去を機にコンビニ交付の利用が増えることを期待したが、思ったほど伸びず、10%ほどにとどまる。

 同様に撤去した練馬、杉並、港区も、担当者は「業務に支障は出ていないが、窓口が混雑する日は増えた」と話す。

 豊島区は、今年十二月末で区内に十台ある自動交付機の運用を終了する。「機械のリース契約の更新時期で、経費面でコンビニ交付との二重負担を解消するため」と理由を説明する。

 しかし、区によると、住民票の場合、発行数の約二割が自動交付機で、コンビニ交付は4%ほど。交付機撤去後は、窓口の混雑が予想される。特に年度末や年度初めは転出入が多くなるため、窓口の人員を増やすことも検討しており、区議会で「本末転倒だ」と批判があった。

 総務省所管でコンビニ交付業務を一手に担う「地方公共団体情報システム機構」(J−LIS)によると、十一月時点でコンビニ交付を導入しているのは全国一千七百余りの自治体のうち五百五十二に上り、三年で五倍以上に増えた。総務省は、自治体にコンビニ交付を推奨することでカードの普及を目指している。しかし、カードの交付率は人口の12・2%で、利用が広がっているとは言い難い。

 荒川区は七台ある交付機を撤去しない考えだ。担当者は「利用者が多く、区民の同意が得られない」と話す。

 マイナンバー制度に反対する市民団体「プライバシー・アクション」(東京都)の白石孝代表は「コスト抑制になるのも利用があってこそ。利便性が高いと強調するが、多くの人が使えないのであれば意味がない。個人情報が含まれるカードを常に持ち歩かなければならず、リスクも大きい」と指摘する。

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