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【社会】

山手線、自動運転トライ 試験走行を初公開 2027年目標

自動列車運転装置を使った試験運転。運転中に必要な情報が運転台前方のヘッドアップディスプレー(中)に投影される=7日未明、JR山手線内で(岩本旭人撮影)

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 JR東日本は七日未明、山手線での自動列車運転装置(ATO)の試験を報道陣に初公開した。全国のJRで、実際の車両と線路を使ったATOの試験は初めて。具体的な実現時期や導入路線は未定だが、得永諭一郎・運輸車両部担当部長は「おおむね順調に試験を終えることができた。この結果をより高度なATOの実験に生かし、開発の速度を上げたい」と話した。 (宮崎美紀子)

 JR東によると、列車の自動運転レベルは五段階あり、同社は昨年発表した経営計画で、上から二番目の実現を二〇二七年までに掲げる。不測の事態以外は自動運転に任せ、乗務するのは運転士でなくてもよいレベルだ。今回の実験はその一段階前の「半自動運転」で、運転士が乗務した状態での自動運転を行った。

 試験は昨年十二月三十日未明、今年一月六日未明に次いで三回目で、山手線の最新車両(十一両編成)を使用。この日は一周目は定刻通り、二周目は遅れを取り戻すために各駅間を十秒早く到着するパターンで、減速、加速などの車両制御と乗り心地を確認した。

 ATOは「ゆりかもめ」などの新交通システムや、都営地下鉄大江戸線などで実用化されている。JR東は人口減少で運転士の確保が難しくなるとみており、自動運転が実現すれば人材を有効活用できる。

 しかし、JRではホームドア未設置の駅や踏切があるため、線路への物の落下や人の侵入の恐れがあり、ハードルは高いという。

 最初の試験が山手線で行われたのは、新型車両が導入されていて、踏切が一カ所しかなく、ホームドアの設置も進むなど安全対策が進んでいるためという。

<自動列車運転装置(ATO)> 運転士がレバーを操作して加速、減速するのではなく、出発スイッチを押すだけで走行区間の勾配やカーブ、遅れを考慮し、自動で減速、加速し、定位置に停車するシステム。

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◆ホーム手前で停車 ハプニング

 午前一時五十分、人けがなくなったJR大崎駅から、試験用の山手線外回り電車が出発した。一周ほぼ一時間の周回線を二周する。

 運転台の左側には減速、加速を切り替えるレバーがあるが、運転士は手を触れない。「出発進行!」の合図とともに右手で緑のスイッチを押すだけで、電車は動きだした。

 駅でドアが開かないこと以外、普段と何も変わらなかったが、二周目の目黒駅でトラブルが起きた。

 ホーム手前で先頭車両が止まってしまい、運転士が手動で正しい位置まで動かすことになった。

 正確な理由は分からないが、担当者によると、一駅前の五反田駅で停車位置が約五十センチずれたことと関係がありそうだという。この時、停車位置を修正せずに出発したため誤作動が生じ、次の目黒駅で大きなズレになったようだ。

 乗り心地はというと、ところどころに急な減速、加速があった。一般人は気付かないレベルだが、運転士経験がある職員によると「やや下手くそな運転」らしい。

 

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