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【社会】

伊勢市役所前に「国民総参宮」のぼり旗 「政教分離違反」指摘受け撤去

8日、三重県伊勢市役所前に掲げたのぼり旗を撤去する市職員

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 天皇の代替わりに合わせて、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝するよう呼び掛けるのぼり旗六本を、同市が昨年十二月二十八日から十二日間にわたり、市役所前に掲げていたことが分かった。のぼり旗には「平成感謝 国民総参宮」と書かれていた。地方公共団体が特定の宗教を優遇することを禁止する「政教分離の原則」に反すると指摘を受け、市は八日に撤去した。

 のぼり旗を作ったのは市と伊勢商工会議所、市観光協会など四団体でつくる「御大礼奉祝委員会」。鈴木健一市長が会長、商議所会頭が委員長を務める。退位の前後、皇室ゆかりの伊勢神宮を天皇陛下らが訪問されるため、提灯(ちょうちん)行列などの出迎え事業を行うことを目的に昨年六月に発足した。

 八日に市役所であった記者会見で、のぼり旗を市役所に設置した見解を尋ねられた鈴木市長は「観光誘客につながればとの思いから許可したが、不適切だった」と回答。会見直後、市役所敷地内から撤去するよう指示を出した。昨年十二月に成立した市の二〇一八年度一般会計補正予算で、奉祝委への負担金として二百九十八万円を支出したことも判明。奉祝委の一八年度予算の八割を占める。市によると、奉祝委の参加団体が負担額を相談して決めた。

 三重大の樹神成(こだましげる)教授(行政学)は「伊勢神宮は全くの観光施設ではない。他の宗教を信仰する市民もいる中、行政が参宮を誘導するような旗を掲げるのは政教分離の点で問題がある」と指摘。公金支出については「奉祝委に支出する目的は何か、根拠を説明することが必要だ」と述べた。

 

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