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【社会】

竹島、尖閣諸島 100キロのずれ 防衛白書の図20年誤り

 防衛省が毎年発行する「防衛白書」で約二十年間にわたり、巻末図の竹島と尖閣諸島の位置が実際とは大きく異なる位置に示されていたことが分かった。防衛省は「あくまでイメージ図なので地図ではなく、誤りとは言えない」としつつも、二〇一八年版で位置を修正した。

 誤りがあったのは、巻末に掲載された「主要部隊などの所在地」。日本地図上に陸海空自衛隊の基地や活動拠点を示している。

 一九九七〜二〇一七年版で、竹島(島根県)と尖閣諸島(沖縄県)がそれぞれ北西に百キロほどずれた場所に記載されていた。

 誤りを指摘したのは愛知大の近藤暁夫准教授(地理学)。近藤准教授は、一九七〇年刊行の初版以降すべての白書を調査して論文をまとめ、昨年三月発行の学内誌に掲載した。

 防衛省は、同九月に発刊した二〇一八年版で、巻末図の竹島と尖閣諸島の位置を論文の指摘とほぼ同じ位置に修正。タイトル末尾に「イメージ」との文言を追加した。

 白書作成部署の担当者は「島の位置の変更は指摘を受けたものではなく、省内の見直しで気付いた。掲載図の多くは文面を補足するイメージ図で正確性を求めたものではなく、専門家のチェックなどもしてはいない」と説明する。

 論文は、一七年版に掲載されている地図計五十六枚のうち、巻末図を含めた少なくとも二十八枚に、島しょ部の位置や国境線の誤りなど、政府の公的立場と矛盾、相反する内容があったとしている。

 近藤准教授は「国際協調の観点や国土と国民を守る立場からも領土表現には細心の配慮が求められるが、看過できない誤りが多すぎる。国際問題に発展しかねないミスもあり、二次利用で誤った情報が広がる懸念もある」と警鐘を鳴らす。

 竹島がある島根県の担当者は「県の資料は国土地理院の地図を利用し、間違いが起きないようにしている」と話している。 (五十幡将之)

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