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【社会】

自治体2割、残骨灰で収入 7割は業者に処理委託 厚労省初調査

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 火葬場で遺族が拾骨した後に残る「残骨灰(ざんこつばい)」について、厚生労働省が昨年、自治体を対象に初めての調査を実施したことが分かった。約二割が残骨灰そのものや分別した金歯、指輪などの有価物を売り払うことで得た収入を歳入に繰り入れていると回答。一方、有価物を当て込んだ民間業者に一円やゼロ円で処理を委託する自治体が目立った。 (小笠原寛明)

 年間百三十万人以上が亡くなる多死社会を迎えているものの、自治体によって対応が割れているため、同省として実態把握が必要と判断した。残骨灰の扱いに法律の定めや統一的な基準はなく、自治体に委ねられているのが現状。法律や制度の整備を求める声が強まりそうだ。

 調査は昨年七月、西日本豪雨の被災自治体を除き、政令指定都市と東京二十三区、保健所を設置する市のほか、無作為に抽出した市町村の計百四十一自治体を対象に実施。九十四自治体から回答があり、十一月に結果を各都道府県に通知した。自治体名は非公表で、複数回答や明確に答えていないケースもあった。

 厚労省のまとめでは、残骨灰や有価物の売却益を収入にしているのは二十自治体。このうち残骨灰をそのまま売っているのは十四自治体で、残りの六自治体は残骨灰から取り出した有価物だけを売却していた。

 一方、約七割にあたる六十六自治体は、残骨灰の処理を業者に委託していると回答。過去五年に一円やゼロ円で業者と契約したことがあるのは三十一自治体で、このうち二十六自治体は、一円やゼロ円の契約が「三回以上あった」と答えた。業者はこうして引き取った残骨灰から抽出した有価物を売却して自社の利益にしているとみられる。

 公営施設に埋めるなど、自ら処理していると答えたのは、九自治体だった。

 遺骨が含まれている残骨灰を売買の対象とすることには批判もある。厚労省は「住民の宗教的感情等に配慮する観点から、可能な限り処理状況を把握することが重要」との見解を示し、都道府県を通じ管内の市町村に周知するよう求めた。

 本紙は二〇一七年十二月、独自のアンケートに基づき、残骨灰処理が自治体で異なる現状を報道。昨年二月の衆院予算委員会で取り上げられ、加藤勝信厚生労働相(当時)が「実態がどうなっているか聞いてみたい」と答弁していた。

 

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