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【社会】

優生思想、負の歴史学んで ナチスの障害者虐殺 中野で今週パネル展

障害者を殺害施設に移送するバス=ドイツ精神医学精神療法神経学会提供

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藤井克徳さん

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 優生思想に基づくナチス政権の障害者「安楽死」政策に関するパネル展が2月1、2の両日、東京都中野区で開かれる。「T4作戦」と呼ばれた障害者の大虐殺は、600万人以上が犠牲になったユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)へとつながった。主催するのは、障害者の事業所でつくる全国組織「きょうされん」。「優生思想がはびこった過去に学びたい」と思いを込める。 (渡辺聖子)

 T4作戦の命令書は、第二次世界大戦開戦日の一九三九年九月一日、ヒトラーの署名入りで出された。作戦名は、作戦本部が置かれた「動物園通り四番地」に由来する。精神障害者や知的障害者が「価値のない者」として標的になった。

 作戦は翌年から実行され、障害者をガス室に送り込んで命を奪った。作戦には医師ら医療関係者も加担した。キリスト教会から抗議を受け、作戦は一年半余で表向き中止されたものの殺害は続けられ、大戦中の犠牲者は少なくとも二十万人とされている。

 ドイツ国内でも長年、この事実に光が当たることはなかった。二〇一〇年、ドイツ精神医学精神療法神経学会が、作戦への医師の関与を認めて公式に謝罪し、知られるようになった。

 今回のパネル展では、神奈川県立精神医療センターの岩井一正所長が、同学会の展示セットを翻訳して紹介する。障害者を殺害施設に移送するバスや犠牲者の写真、医師が殺害実行の判断を記入した登録カードなど約四十点。これまで関係学会などで専門家向けに展示されたことはあるが、市民向けの企画は今回が初めてという。

 日本では、旧優生保護法(一九四八〜九六年)下の障害者の強制不妊手術の実態が次々と表面化し、救済に向けた動きが続いている。ドイツでT4作戦の遺族や関係者に話を聞き、著書にまとめた藤井克徳・きょうされん専務理事は「ユダヤ人大虐殺の前に障害者でリハーサルをしていた事実を知り、今の課題と重ねて見てほしい」と話す。

 会場は中野区中央五の都生協連会館。入場無料。一日は午後一時〜八時、二日は午前十時〜午後四時。問い合わせは、きょうされん=電03(5385)2223=へ。

 

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