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【社会】

「父からいじめ」回答、父に渡す 小4女児死亡 野田市教委が謝罪

 千葉県野田市立小四年の栗原心愛さん(10)が自宅浴室で死亡した事件で、心愛さんが二〇一七年十一月に「父からいじめを受けている」と回答した学校アンケートのコピーを、市教育委員会が父勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=に渡していたことが三十一日、市教委への取材で分かった。虐待を調べていた県柏児童相談所には事前に相談していなかった。

 野田市教委は取材に、心愛さんが児相に一時保護されたことに対し、容疑者から学校側に激しい抗議があり、それを抑えるために手渡したと説明。「配慮を著しく欠いていた」と陳謝した。教育評論家の尾木直樹さんは「火に油を注ぐ極めて危険な行為だ」と批判している。

 野田市教委などによると、心愛さんは当時通っていた別の市立小で実施されたいじめに関するアンケートの自由記述欄に「父からいじめを受けている」と記載。児相は一七年十一月七日、虐待の可能性が高いとして一時保護した。

 容疑者は一時保護解除後の一八年一月十二日、心愛さんの母(31)と共に学校を訪れ、「暴力はしていない」「訴訟を起こす」などと抗議。学校側が回答内容を口頭で伝えると「実物を見せろ」と要求した。十五日には市教委に「娘から、アンケートを見せてもいいという同意書をもらった」という趣旨の話をし、文書を提示。市教委は学校からの相談も受けており同日、コピーを容疑者に手渡した。

 市教委は二月二十日、市や柏児相、野田署などで構成する「市要保護児童対策地域協議会」で回答を渡したことを事後報告した。柏児相は「事前に児相に相談すべきで不適切だったと考えている」としている。尾木さんは「子どもを第一に考えるという原理原則を欠き、信用しやすい大人の側に立ってしまったのではないか。学校や市教委だけで判断せず、児相や警察に相談すべきだった」と話した。

 

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