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【社会】

女児のSOS、筒抜け 野田市教委「父親の威圧的態度に萎縮」

野田市のいじめ調査アンケートの用紙

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 先生、どうにかできませんか−。千葉県野田市の小学四年栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡した事件で、心愛さんがいじめに関する学校アンケートにつづったSOSは、父親の勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=に筒抜けになっていた。父親の威圧的な態度に萎縮したという野田市教育委員会。幼い命を守る意識の欠如が改めて浮き彫りになった。 (太田理英子)

 市教委によると、心愛さんは二〇一七年十一月六日、当時通っていた、死亡時とは別の市内の小学校が実施したいじめ調査アンケートで、「お父さんからぼう力を受けています」などと訴えた。

 学校から通報を受けた県柏児童相談所は翌日、父親からの虐待の疑いがあるとして、心愛さんを一時保護。その後、「市や親族らのサポートを得られる見込みになった」として、保護を解除した。

 勇一郎容疑者は解除後の一八年一月十二日、妻と学校を訪れ、「一時保護が解除されたのは暴力がない証拠」「名誉毀損(きそん)で訴訟を起こす」と大声を出すなどして抗議。心愛さんのアンケートの回答を見せるよう強く要求した。

 対応した校長や市教委職員はいったんは拒否。しかし、勇一郎容疑者らは三日後、「アンケートを両親に見せていい」との内容を心愛さんが手書きで記したとする同意書を市教委に示し、改めて開示を要求。「娘が書いた」との母親の説明を信じ、心愛さんに直接確認しないまま、市教委指導課の矢部雅彦課長らがコピーを渡した。

 心愛さんは一八年一月十八日に市内の別の小学校に転校し、その後は学校のアンケートに虐待について記入することはなかった。

 同課は勇一郎容疑者にアンケートのコピーを渡したことを市上層部や柏児相に報告しておらず、周知したのは一月二十四日に心愛さんの遺体が発見された後だった。

 野田市は三十一日、市情報公開条例に違反するとして、関係者の処分を検討するとした。

 佐藤裕(ひろし)教育長は「子どもを守り切れず、申し訳ない。今後はアンケートの取り扱いを十分に注意し、子どもたちの声を聞いていきたい」と話した。

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